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【報告】グリーンな東京 オープンセミナー第1回「COP26報告と東京都の気候政策」

グリーンな東京 オープンセミナー第1回
「COP26報告と東京都の気候政策」

12/17(金)18:30~20:30
 @阿佐ヶ谷区民センター&Zoomオンライン

ゲスト:平田仁子さん(気候ネットワーク 国際ディレクター/理事)
進行・レポート:漢人あきこ(東京都議会議員)

平田さんは今年6月「環境部門のノーベル賞」とも称される「ゴールドマン環境賞」を日本人女性初の受賞。気候変動に関する国際交渉やエネルギー政策に詳しい平田さんからCOP26の報告と評価を伺い、東京都の気候政策「ゼロエミッション東京戦略」について漢人がレポート。参加者からの活発な発言や質問と平田さんからの的確なコメントに前途多難な現実を共有しつつ、「どうせなら楽しくやらなくちゃ」との平田さんと、東京の気候政策の検証・取組みの重要性を再確認しました。

 

COP26では、脱石炭国際連盟(PPCA)が165団体(48政府、28自治体、69企業等)の加盟で発足するなど石炭に関する新しい動きがありましたが、残念ながら日本は石炭火力発電からの撤退を示せず、気候変動対策でも石炭火力発電でも先進国最下位レベルの評価です。

日本の第6次エネルギー基本計画の「2030年石炭火力19%」は「1.5℃目標」と不整合。まずは石炭火力発電からの撤退は不可避です。

なんと、東京都もPPCAへの加盟を誘われたのに断ったようです。石炭火力発電に依存するエネルギー消費地としての責任が問われます。

COP26期間中の議長イニシアティブはCoal, Cars, Cash, Treesで、「100%ゼロエミッション乗用車・バンへの移行加速宣言」も行われたとのこと。2030年以降もハイブリット車を容認する日本、東京の姿勢も見直しが迫られることは時間の問題です。

漢人からは「ゼロエミッション東京戦略」について概要を報告。現状認識や意気込みは評価できるのに、具体的な政策は、現在開催中の「環境審議会」の結果待ちが多いことや、特に「非ガソリン車」カテゴリーを新たに設けてハイブリット車の導入を奨励するなど、まちがったヤッテル感の演出の問題を指摘しました。
会場参加の共産党の原田あきら都議から、ゼロエミッション戦略に逆行する東京都の大型開発の問題提起もいただきました。390mビル建設でCO2発生量を1.5倍の7万トンに増加する計画が、キャップ&トレード制度ではわずか380万円のペナルティしか課されず、大型開発拠点が現在の32から85カ所に増やされようとしている現状には、あきれるばかりです。

東京都政全体のなかでの気候政策の位置づけの強化、本気度が問われています。

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