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【一般質問】第2回定例会で4項目の質問をしました

 6/5の第2回定例会本会議で、3回目の一般質問をしました。
 一般質問とは、都政全般について知事に対して行う質問です。都議会では会派によりますが概ね各議員年1回10数分。大会派は他に代表質問がありますが、ひとり会派はできません。

 「環境より開発優先に転換した小池都政の8年の検証」をテーマに次の4項目の質問をしました。知事自らの認識を質しましたが、すべて答弁には立たず、実質答弁拒否でした。

1.環境を破壊し民意に反する都市計画道路小金井2路線について
2.街の将来像を根底から覆す公園まちづくり制度や 都民の暮らしとかけ離れた都市整備について
3.絶望的な2030年カーボンハーフと気候政策について
4.知事の人権認識の誤りについて

<録画>
https://www.gikai.metro.tokyo.lg.jp/live/video/240605.html?seek=19104

<質問原稿と答弁骨子>

 小池知事への任期最後の一般質問となりました。グリーンな東京、漢人あきこです。
 知事は、8年前の都知事選で「東京大改革宣言」を掲げて立候補、都政の転換を求める都民の期待を受けて当選しました。ところが、都民の声に耳を傾けず、守るとした環境を破壊し、大型開発優先のまちづくりを加速してきました。2030年カーボンハーフの実現も相当に困難で、基本的な人権認識の欠如もあらわになっています。

❶ 環境を破壊し民意に反する都市計画道路小金井2路線について
 2016年の「第四次事業化計画」で、小金井3・4・1号線、3・4・11号線外の2路線が、優先整備路線に選定され、その直後の都知事選に立候補した小池百合子候補は、「小金井2路線」について、市民団体のアンケートで次のように回答しています。
 「優先整備路線の決定にあたっての意見書の提出件数も群を抜いており、知事に就任したら、実際に巡視し、地域住民とも対話し、優先整備路線に位置付けることが不適切だと判断される場合には、必要に応じ、見直しを進めていきたい」「道路の新設に関しては、将来需要、費用対効果、地域住民の合意、地元区市町村や区市町村議会の意向、自然環境への影響などを多角的に分析して着手するかしないか を判断すべき」 というものです。
 道路予定地には、全国27カ所、都内では唯一の自然再生推進法に基づく自然再生事業の対象地区や、関連地区の、野川、はけの森、武蔵野公園が含まれます。都や市民等の多様な主体が参加し、生物多様性豊かな自然環境の保全と再生に取り組み成果を上げてきた貴重な地域です。
 21年には「環境概況調査委託報告書」が公表され、植物の70%近くが在来種で、植物、昆虫、野鳥などに多くの重要種が存在し、猛禽類も生息する豊かな生態系が改めて明らかになり、「道路構造によっては生育できなくなることのほか、環境変化により間接的影響を受ける可能性がある」との警鐘も鳴らされました。
 周辺には、オオタカが舞い、ホタルも蘇りました。「生物多様性地域戦略」でも「崖線」の重要性がうたわれ、武蔵野公園の生物多様性保全利用計画も策定されています。
気候と生物多様性の危機は深刻化し、コロナ禍にも見舞われ、多様な生態系の重要性ははますます高まっています。

2路線周辺の自然環境、生物多様性についての知事の、現在の認識を伺います。

➡建設局長(答弁骨子)
〇2路線は、武蔵野公園などの広域避難場所へのアクセス向上や、生活道路への通過交通抑制による地域の安全性向上等に資する重要な路線
〇これらの路線は、貴重な自然が残る国分寺崖線や野川と交差
〇整備に当たっては、現地の地形状況や景観のほか、周辺の動植物の生息、生育状況等を踏まえた検討が必要
〇小金井3・4・11号線外では、環境概況調査を実施、また、その結果を基に、自然環境等に配慮した道路構造等の検討を推進

 優先整備路線の選定理由は「自動車交通の円滑化」で「渋滞の解消」を重要課題としていますが、交通量は減少し、渋滞も解消傾向にあり、道路の必要性の最大の根拠は失われつつあります。
 一昨年の予定地地権者への市民団体のアンケートでは約75%が反対し、前市長は「市民合意のない事業化は認めない」、現市長は「2路線の事業化中止」を表明しています。

道路の必要性の低下、住民合意の欠如について認識を伺います。

➡建設局長(答弁骨子)
〇2路線は、第四次事業化計画の策定に当たり、将来都市計画道路ネットワークの検証を実施し、必要性が確認されており、重要性、緊急性を考慮した上で、優先整備路線に選定
〇様々な意見があることは承知。小金井3・4・11号線外については、事業の目的や整備効果等を広く周知するため、広報紙を小金井市内全戸に配布、また、地域の方々との意見交換会やオープンハウス等を開催
〇引き続き、事業に対する理解と協力が得られるよう、丁寧に対応

第四次事業化計画は10年の事業化期限まで2年を切りました。知事になられた初心に基づき、「小金井2路線」の事業化中止の決断を求めます。お答えください。

➡建設局長(答弁骨子)
〇2路線について、様々な意見があることは承知
〇引き続き、自然環境等に配慮しながら検討を推進、また、地域の方々との意見交換を行うなど、事業に対する理解と協力が得られるよう、丁寧に対応

❷ 街の将来像を根底から覆す公園まちづくり制度や 都民の暮らしとかけ離れた都市整備について
 神宮外苑の開発計画は、知事が樹木伐採の見直しを重ねて要請するという異例の展開となっています。高まる都民の批判に対し、開発推進の立場を修正せざるを得なくなったということです。
 しかし、再開発計画の抜本的な見直し抜きに、実効ある樹木の保全はきわめて困難です。都民の批判は、事業者利益を優先し、巨大ビル構想やスポーツ施設の改造計画、そしてそれらの計画を可能とする道筋を用意した 都の「公園まちづくり」制度自体にも向けられています。
「公園まちづくり」制度は、都心部における、未整備・未供用の都市計画公園を大規模再開発の用に供するためのものです。都市計画の大原則をなし崩しにし、都心部における街の将来像を根底から覆す制度を、一片の 要綱 で動かしてきた都の姿勢が厳しく問われています。

 「公園まちづくり」制度を廃止し、神宮外苑の再開発事業については、事業計画の見直しも含め事業者との協議に入ることを求めます。ご答弁ください。 

➡東京都技監(答弁骨子)
〇この制度は、都心部にある長い間供用されていない区域を含む都市計画公園において、公園機能の早期発現と良好なまちづくりの両立を実現するもの
〇都は、都市計画や環境アセスなど、法令等に基づき、適切に対応

 神宮外苑の樹々は、選挙が終われば、次々と伐採されるのではないか、と多くの都民が危惧しています。選挙が近づくと掲げられた聞こえの良い政策の数々が、いつの間にか反故にされてきましたから。小金井2路線しかり、築地跡地の開発問題は、その象徴でもあります。

 東京は、巨大な富の集積地となる一方で、深刻な格差が広がり、庶民が住み続けることのできないまちに変えられつつあります。大々的に、都の全面的な後押しを得て、そして都民の財産である都有地や都市計画公園予定地を切り刻み、一部ディベロッパーの開発利益を生み出す種地として切り売りしながら進む巨大再開発の波は、東京に暮らすたくさんの命・くらしと向き合う目と心を都政が持ち合わせていないことを教えています。

 開発業者や巨大企業と一体となった東京改造計画を直ちに中止し、自治と参加を基調とした修復型のまちづくりへの転換を図ることを求めます。お答えください。 

➡東京都技監(答弁骨子)
〇都民の誰もが安全で快適に暮らすことができる都市の実現には、都市の活力や賑わいの創出、地域の防災性の向上、緑豊かな空間の形成などが必要
〇こうしたまちづくりの実現に向け、今後とも質の高い民間プロジェクトを適切に誘導

❸ 絶望的な2030年カーボンハーフと気候政策について
 IPCCは、「最悪の場合2150年に5m、2300年に15mの海面上昇の可能性がある」と指摘しています。5mの海面上昇によって 日本では2300万人が移住を強いられます。また、IPCCやIEAの「1.5℃目標」への提言を踏まえれば、日本は2030年に2013年比で70%、2035年に85%以上の温室効果ガスの削減が求められています。
 5月15日には、第7次エネルギー基本計画の議論が始まり、来年2月までにCOPに提出する削減目標の引き上げが求められています。
1.5℃目標の実現、先進国の責任からすれば、都の2030年カーボンハーフも不十分であることが、ますます明らかになっています。
 2000年比では、カーボンハーフではなく、少なくとも60%以上の削減目標が必要です。

 国をリードして、1.5℃目標達成への責任を果たせる削減目標を掲げることを求めます。ご答弁ください。

➡環境局長(答弁骨子) 
〇2030年までの行動が重要との認識の下、都は2030年までに温室効果ガスを半減する目標を掲げ、施策を強化・拡充

 小池知事が就任した2016年に策定された環境基本計画の目標は2030年で2000年比30%削減でした。しかし5年が経過した2021年で、わずか2.28%の削減でしかありません。このままでは、7年後の2030年カーボンハーフでさえ実現できないことは明らかです。
 その理由は、断熱や太陽光発電やEV化への規制や義務化の強化が弱いためです。

 1.5℃目標達成への責任を果たすため、政府の弱い規制策に追随するのではなく、大胆かつ迅速に罰則を伴う規制強化を加速するべきです。いかがですか。

➡環境局長(答弁骨子)
〇都は、2030年カーボンハーフの実現に向け、建築物に関する条例制度の改正に加え、省エネ対策や再エネ設備導入の支援など、幅広い施策を展開

 格差と貧困が常態化する中でCO2削減のための規制強化やカーボンプライシングを進めれば、低所得者への打撃は極めて深刻です。エネルギー貧困層は10%と指摘されています。
 都の熱中症死亡者の9割はエアコンがないか使用していません。政府は2030年熱中症死亡者半減を提言していますが、都はこれを無視しています。

 エネルギー貧困層の命を守るため、環境と福祉の連携による現状把握と対策は必須です。いかがですか。 

➡環境局長(答弁骨子) 
 (暑さ対策についてであるが、)
〇都は、全庁的な推進体制の下、関係各局が連携して取組を推進
〇高齢者など特に暑さへの配慮が必要な方への対策については、福祉局とも連携して区市町村や関係機関にも周知

 他方で学校では授業に集中できないほどの教室の高温化が危惧され、エアコン設置だけでは不十分で、断熱改修が急務と指摘されています。しかし、今回、グリーンな東京が行った都内区市町村立小中学校の全校調査によると、対策が必要な最上階の教室の室温検査を行っているのは、たったの33%でした。都教委は都立学校の現状把握のための調査さえ拒否しました。

 学校の断熱改修の迅速な対応のための緊急調査と対策を求めます。お答えください。 

➡教育長(答弁骨子)
〇都立学校においては、法令等に基づき、教室の温度等を測定しており、その結果に応じて、空調設備の適切な利用など、必要な対応を実施。断熱性の向上については、改築等の際に、「省エネ・再エネ東京仕様」により、計画的に進めている。
〇公立小・中学校における教室等の環境衛生の維持や施設整備については、法令等に基づき、設置者である区市町村の責任において行われるもの。

➍ 知事の人権認識の誤りについて
 人権尊重条例では「東京に集う多様な人々の人権が、誰一人取り残されることなく尊重され」ることがうたわれています。
 ところが、文書質問で、こども基本条例の対象とする「全てのこどもとは国籍を問わないと考えてよいか」と質問したところ、「全てのこどもである」と国籍には触れず、「人権に関する理念に例外はないと考えるが」と見解を問う質問には 「条例の理念と、施策の性質を踏まえ、判断」との答弁がありました。

 人権とは普遍的なものであり、施策ごとの恣意的判断を行うべきではありません。知事の認識を伺います。

➡総務局長(答弁骨子)
〇人権尊重条例の第一条では、「人権尊重の理念が広く都民等に一層浸透した都市になることを目的とする」と規定
〇施策の実施に当たっては、条例の理念と施策の性質を踏まえ、判断されるべきもの

 朝鮮学校運営費補助金の停止から14年が経ちました。朝鮮学校は、歴史的な経緯、民族教育の重要性からも、必要不可欠な存在です。
 加えて、小池知事は、関東大震災朝鮮人犠牲者追悼式典への「追悼文」送付を取り止め、ヘイトスピーチを煽る結果をも招いてきました。
 国連からは朝鮮学校差別に関する懸念と勧告が繰り返され、小池知事の任期中には、人権尊重条例と、こども基本条例が制定され、あらゆる差別の禁止を掲げてきました。

 朝鮮学校に対する私立外国人学校教育運営費補助金の交付を再開するとの答弁を求めます。 

➡生活文化スポーツ局長(答弁骨子)
〇朝鮮学校の運営等の実態を確認するため過去に実施した調査結果や、その後の状況などを総合的に勘案して、朝鮮学校に私立外国人学校教育運営費補助金を交付することは都民の理解が得られないと判断

 再質問を留保し、質問を終わります。