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【要望書】「関東大震災における朝鮮人虐殺」についての要望書

 本日、小池知事と浜教育長に対する要望書を建設局公園緑地部担当課長に提出しました。追悼式典が開催される公園管理者として建設局が受け取る慣例です。
 今回は、8/2に昨年の式典近くで行われたヘイトスピーチの認定公表が行われたこともあり、併せて、総務局人権部に対して、人権尊重条例に基づく審査会やヘイトスピーチの公表方法の見直しと再発防止と抑止力強化への取り組みについても要請しました。

都HP)東京都人権尊重条例に基づき不当な差別的言動と認めた表現活動の概要等について
https://www.soumu.metro.tokyo.lg.jp/10jinken/base/upload/item/26hyougen_1.pdf
➡8/7朝日新聞:朝鮮人追悼めぐる集会で「ヘイトスピーチ」認定 東京都、昨年9月
 https://www.asahi.com/articles/ASS863VXDS86OXIE03YM.html
➡8/15神奈川新聞:東京都、6月知事選の「日本第一党」街頭演説をヘイトスピーチ認定
 https://www.kanaloco.jp/news/social/article-1102674.html(有料記事)
 選挙運動での発言がヘイトスピーチ認定されたのは初めてとのこと
 



2024年8月21日

東京都都知事 小池百合子 様
東京都教育長 浜 佳葉子 様

東京都議会「グリーンな東京」
幹事長 漢人あきこ

「関東大震災における朝鮮人虐殺」についての要望書

 1923年9月1日の関東大震災から今年は101年を迎えます。
 1974年以降、歴代の都知事はその歴史的事実を踏まえ、毎年9月1日に墨田区の都立横網町公園で開かれる関東大震災朝鮮人犠牲者追悼式典へ「追悼文」を寄せてきました。
 しかし、小池知事は「震災犠牲者の法要で全ての人に哀悼の意を表している」として、2017年以降送付を取りやめました。また、小池知事は虐殺について「さまざまな見方がある。歴史家がひもとくもの」と、虐殺の史実の認定も避けています。
 関東大震災において日本人による朝鮮人への虐殺行為が行われたことはさまざまな記録、証言、調査によって明らかです。2006年、政府は内閣府中央防災会議の報告書で、関東大震災における朝鮮人虐殺の事実を確認、その背景に「民族的な差別意識」などがあったと重大な指摘もしています。

 小池知事が追悼文送付を取りやめた2017年以降、「追悼式典」の隣接地で行われるようになった「そよ風」の集会では、朝鮮人を貶め、傷つける差別的な演説が行われてきました。2020年、「人権尊重条例」により設置された審査会は、その言動をヘイトスピーチにあたると認定し、「適切な措置」をとるべきという「意見」も盛り込みましたが、その後も東京都はヘイトスピーチを繰り返す団体への公園の「利用制限」を行わず、使用を許可し、ヘイトスピーチを放置、容認してきました。しかし、今年8月2日、都は条例に基づき2023年の同様の集会での「朝鮮帰れ、祖国の朝鮮、祖国へ帰れ、お前らはゴミなんだよ、クズなんだよ、早く帰れよ、日本にいらない」との表現を再びヘイトスピーチと認定し公表しました。東京都は、今年こそ、公園の「利用制限」を行うことを求めます。
 そして、関東大震災から100年を超えた今も、このように公然とヘイトスピーチが行われていることを都は深刻に受け止めるべきです。「追悼文」送付取りやめが、差別意識の助長へつながったことを反省すべきです。
 さらに一昨年は、東京都人権プラザの企画展をめぐり、知事への忖度と思われる職員の発信もあり、関東大震災での朝鮮人虐殺に言及した映像作品が上映できなくなるという事態も発生しています。
 また、2016年熊本地震、2018年大阪北部地震でも、ネット上に「井戸に毒をなげた」などの外国人に対する差別的投稿が相次ぎ、法務省がツイッターで冷静な行動を呼びかけるという事態も起きました。「民族的差別意識」は根強く生き続けているのです。

 漢人あきこは都議になった2021年から、関東大震災における朝鮮人犠牲者への追悼の意を表明することを求める要望書を提出してきました。
 昨年の第1回定例会一般質問では、関東大震災100年の都の取組みには朝鮮人などの虐殺の悲劇を繰り返さないという視点が全くないことを指摘し、第2回定例会では、関東大震災100年の今年こそ、朝鮮人犠牲者への追悼の意を表明しないのかと文書質問を提出しています。
 今年の第2回定例会一般質問では、「小池知事は、関東大震災朝鮮人犠牲者追悼式典への「追悼文」送付を取り止め、ヘイトスピーチを煽る結果をも招いてきた」と指摘しました。
 そして、今年もまた同様の要望書を提出せざるをえないことを残念に思います。

 小池知事の「追悼文」送付取りやめは、歴史的事実を覆い隠し、差別意識を助長し、東京都がめざす多民族共生の道に逆行するものです。今年こそ、知事にこの姿勢を改めることを求め、101回目の9月1日を迎えるにあたって、以下のことを強く要望します。

  1. 小池知事は「関東大震災における朝鮮人犠牲者」への追悼の意を表明すること
  2. 小池知事は都立横網町公園で行われる「追悼式典」への「追悼文」を送付すること
  3. 「追悼式典」終了後にヘイトスピーチを繰り返してきた団体(そよ風)が追悼碑前で計画している集会は、死者を冒涜し、さらなるヘイトスピーチを拡散するものです。都の人権尊重条例に基づく「利用制限」に該当するものとして、この集会についての占有許可を出さないこと
  4. 「関東大震災における朝鮮人虐殺」について、学校教育や社会教育の場などにおいて、啓発と人権教育を推進すること
  5. 東京都人権プラザ企画展における関東大震災での朝鮮人虐殺に言及した映像作品の上映取りやめに関する背景と経緯を明らかにし、関係者に説明し謝罪すること

以上