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【報告】〈緊急企画〉4.11ミャンマーでの弾圧と人々 ~世界と私たち、未来世代の民主主義を考える

ブログを更新しました。
https://kandoakiko.com/blog/2021/04/1886/


 4月11日(日)、チェンジ東京!小金井の会の漢人あきこ事務所の最初のイベントとして、小金井在住のミャンマー語通訳・翻訳者の島岡みぐささんからミャンマーの現状を聞くお話会を開催しました。
 今回の企画を担当し準備してくれた横須賀雪枝さんからの報告をお届けします。


 島岡みぐささんは「日本の皆さんがミャンマーに心を寄せて心配してくれていることに驚いているし、とても嬉しく感謝しています」とお礼の言葉からお話がスタートしました。

 大学でミャンマー語を学び、若い頃からミャンマーを第二の故郷と思ってきた島岡さん。ミャンマー人の方と結婚され、3年前までは家族でミャンマーで暮らしていました。ミャンマーで起きていることは今の自分の暮らしにそのまま繋がっていて、他人事ではないからミャンマーの人の側に立って自然と私たちへお礼の言葉が出てしまう島岡さん。クーデターが起きてからの2ヶ月、昼も夜もなく日本で情報収集に努めて報道のサポートなどずっと働かれているそうです。通訳や翻訳の仕事を中心にミャンマーに関わってすでに30年、島岡さんは1988年のクーデターも経験し、今回は2度目で、現在は日本で現地にいる人たちからインターネットで情報を収集している日々…そんな島岡さんは私たちに伝わる言葉で話してくれ、メディアからの情報で感じていた様々な疑問の答えをくれました。
 以下、島岡さんのお話のメモ的報告ですが、とても書ききれないので抜粋です。

若者たちが先導しているデモ

 今回の動きが88年と動きが違うのは若者たちがSNSを駆使してとても素早くしなやかに行動していること、伝統的に受け継がれてきたデモのスタイルを継承しつつ、若者たちが力強い声で歌ったり音を出したりして、新しいこと色々考えながらで牽引している姿は本当にすごい。「自分たちの世代がみんないなくなっても次の世代がいい時代を過ごせるなら構わない」という決意をして命の危険も顧みずデモに出て行ってしまうのは本当にすごいことだと思います。
 今のミャンマーは気温が40度。日本の春のうららかな中ではないということを想像してほしい。ちょっと外に出ただけでふらついてしまうような暑さの中で連日やっている。本当に昨日まで日本の私たちと同じような平和な暮らしをしていた人たちなんです。軍は有名な俳優やコメディアンを次々に逮捕、投獄し、デモの士気を下げようとしているけれどもちっともひるまない。このままだとどうなっていくのかとても心配。信じられないような殺戮が行われていて、病院が教育機関が占拠されていて怪我をしている人が医療を受けられないという問題も起きている。

なぜクーデターは起きたのか

 突然起きたクーデターではあるけれども、昨年11月の総選挙でNLD政権が勝利したことで、軍の命綱である憲法が廃止されてしまうことを恐れたから(選挙に不正があったと訴えそれが聞き入れられなかったから)軍はクーデターに踏み切ったのです。それまで民主化しているように見えていたけれども、実は2008年に軍主導の国民投票によってできた現行憲法が、実は大きなネックとなっていて、これがある限りは国の重要なところを軍に抑え込まれており、見せかけの民主化でした。「国軍の存在なしには国は回らない」と軍は信じていて国を守るのは自分たちだと思っている。国軍の創始者はアウンサン将軍を含む政治運動を率いていた学生たちで、もともと軍と国の出発点が同じだから今も切り離せないということなどをわかりやすく解説してくれました。

私たちにもできること

 最後に島岡さんから「今私たちができること」を教えていただきました。まずは関心を持って情報を収集して現状を知ること。何が起こっていて、ミャンマーの人たちが何を求めているのかを把握することをお願いしたい。国際社会の支援が必要なので、ミャンマーの人は日本人に日本の政府を説得してほしいと思っている。それからCDM(クーデターに抗議する市民不服従運動)の活動を支援するための寄付やミャンマーの製品を買ったりする方法など教えていただきました。そして一番大事なのは「忘れないでこれからもミャンマーのことに思いを寄せていくこと」を続けることだそうです。

日本の若者も共鳴

 今回は緊急のイベントでしたが、会場で10名、ZOOM参加は40名ほど参加がありました。若い世代からの参加が多くあり、会場でも大学生3人、高校生が1人参加。聞き手の漢人さんから会場参加者に感想をとの声かけがあり、ミャンマーでの若い世代が立ち上がった姿に日本の若者も共鳴し、心を痛めていることがわかりました。

 「これからもミャンマー問題を忘れずに継続して情報を得て考えて、私たちができることをぜひやっていきましょう。CDM支援のカンパや、影響力の強い日本政府への働きかけ、難民受け入れを阻む日本の入国管理制度の更なる改悪をやめさせること。それに東京都としてできることも考えたいですね」と漢人さんが締めくくりました。
 忙しい中、時間を作ってくれた島岡さんにこの場を借りて感謝いたします。