新着情報

ブログを更新★【調査報告&申し入れ】小中学校の出席簿、混合名簿100%まであと一歩 速やかに完全実施へ

  昨年に引き続き、都内全区市町村立小中学校の出席簿の調査を行い、その調査結果を添えて、都知事と教育長に申し入れをしました。

<調査結果概要>  詳細は ➡こちら

▸混合名簿実施
 小学校1265校中1232校(97.4%)、中学校603校中498校(82.6%)、全1868校中1730校(92.6%)
  未実施138校
 *昨年度(全体実施率83.2%、未実施315校)から実施率9.4%アップ
▸未実施校の今後の予定
 「2023(R5)年実施予定」10自治体、「検討中」9自治体、「予定なし」ゼロ(昨年9自治体)
▸アンコンシャス・バイアスの視点に基づく他の取組みも調査
 20自治体が「標準服」見直しに取組んでいる

 


2022.10.20

東京都知事 小池 百合子 様
東京都教育長 浜 佳代子 様

東京都議会 グリーンな東京
幹事長 漢人あきこ

いまだに、138校で、「いつも男子が先の男女別名簿」!
小中学校の出席簿、混合名簿100%まであと一歩 速やかに完全実施へ

 学校教育の場からのジェンダー平等意識の醸成は重要であり、「東京都オリンピック憲章にうたわれる人権尊重の理念の実現を目指す条例」に掲げる多様な性の理解の推進の観点からも、多様な性自認に配慮し尊重する「混合名簿」への転換が急がれます。
 浜教育長は、6月の第二回定例会一般質問で、小中学校の出席簿について「男女平等教育の推進に向け、性別による無意識の思い込みの解消が必要。都教育委員会は、本年四月に、都内全公立学校の教員に配布した指導資料人権教育プログラムに、男女混合名簿について記載するとともに、五月には、都内公立学校の校長を対象とした研修会等で混合名簿を使用するなど、男女で分ける必然性がない場合の教育活動を適切に見直していくことの重要性等について周知した。」と答弁しました。この答弁に基づき、都内全市区町村立小中学校の出席簿を速やかに混合名簿100%にするための一層の取り組みを求めます。

1.調査結果 ―実施率92.6%、未実施で今後の予定が「検討中」の9自治体90校に注目
 *別紙「【集計表】 区市町村立小・中学校の出席簿調査」参照
 昨年に引き続き、都内全区市町村立小中学校の出席簿の調査を行いました。
 その結果、混合名簿を実施しているのは、小学校は1265校中1232校(97.4%)、中学校は603校中498校(82.6%)、全1868校中1730校(92.6%)でした。138校が未実施です。昨年度は全体実施率83.2%で、315校が未実施でしたが、今年は特に中学校での実施が増え、実施率は9.4%アップしました。
未実施校の今後の予定は、「2023(R5)年実施予定」が10自治体、「検討中」が9自治体で、昨年は9自治体あった「予定なし」はゼロになりました。したがって、来年2023年度には実施率95.2%となり、100%まであと一歩です。検討中の9自治体90校の早急な実施に期待します。

2.男女平等への歩み ―バックラッシュを経てやっと正常化へ
 男女混合名簿の導入は1980年代から始まり、1999年に男女共同参画社会基本法が制定され全国的に混合名簿への移行が進みました。東京都も2002年の男女平等参画のための行動計画で「混合名簿の導入の推進」を定め、2004年には小学校81.6%、中学校42.9%の実施率となっていました。ところが、2004年、東京都教育委員会は「『男らしさ』や『女らしさ』をすべて否定するような誤った考え方としての『ジェンダーフリー』に基づく男女混合名簿を作成することはあってはならない」と各区市町村教育委員会教育長等に通知し、行動計画から混合名簿は削除されました。これを受けて実施を取りやめた学校もあり、その後の導入は滞っていましたが、この数年やっと正しい判断に基づく再評価の中で、再度導入が図られてきたところです。

3.アンコンシャス・バイアスへの取組を重視 ―「標準服」見直しの促進を
 新しい東京都男女平等参画推進総合計画では、アンコンシャス・バイアス(無意識の思い込み)への取組みを重視し、人権教育プログラムでも言及しています。混合名簿もその一つです。
 今回はアンコンシャス・バイアスの視点に基づく他の取組みも調査したところ、20自治体が「標準服」見直しに取組んでいることがわかりました。全都的な課題として促進することを求めます。

 


 
<調査結果詳細>


申し入れ書 https://kandoakiko.com/wp/wp-content/uploads/2022/10/kongoumeibo_mousiire.pdf
調査結果集計表 https://kandoakiko.com/wp/wp-content/uploads/2022/10/2022syuukeihyou.pdf
調査票 https://kandoakiko.com/wp/wp-content/uploads/2022/10/2022tyousahyou.pdf 

【集計表】 区市町村立小・中学校の出席簿調査

質問5 教員の言動や男女で分けることの見直しなど、無意識の思い込み(アンコンシャス・バイアス)の視点に基づき、日常の教育活動や学校運営を見直した事例 *回答より具体例抜粋

・教員向けに無意識の思い込みに気付き言動の見直しを促す研修を実施した。
・水泳記録会の種目について、男女別だったものを混合とした。
・呼称を「~さん」付けで統一するよう指導している学校がある。
・令和4年3月版「人権教育プログラム(学校教育編)」の「人権感覚 教職員のチェックポイント」(28頁)を校内研修で活用し、固定的な性別役割分担意識等、一方的な思い込みや偏った見方をすることなく対応するよう校長が指導した。
・下足、ロッカー、朝礼等での並び順、座席配置
・教務主任研修及び初任者研修で、「アンコンシャス・バイアス」についての研修を実施した。
・校則(学校のきまり)において、髪型等の男女別指定を廃止した。
・学校訪問や職層研修において、東京都教育委員会作成の人権教育プログラムを参考に、無意識の思い込みについて取り上げた。
・教員向けの人権教育研修会及び指導室訪問において、無意識の思い込みに気付き、言動の見直しを促す内容を扱った。
・教室での掲示物で、男子は青い紙、女子は赤い紙を使用しないなど、使うものの色に配慮している。
・児童・生徒を呼名する際、「さん」付けで統一している。
・男性教員が育児休暇を取得している。
・校舎改築や改修に合わせて、トイレの男女表示の色使いを工夫している。
・標準服着用に係る配慮を求めている。また、一部の中学校で標準服の見直しを行った。
・ある小学校では、校内で人権教育研修を実施し、アンコンシャス・バイアスについて演習を行った。その後、教職員のネームプレートのひもの色を男女で分けていたが、同じ色に統一し、見直しを図った。
・校則について、校則の見直し等に関する取組事例を参考にしながら、学校や地域の実態に応じて、校則の見直し等に取り組んでいただくようお願いした。
・標準服について、新入生生徒保護者会等で、LGBT等に関する標準服や使用施設の相談を受けることができることを周知することや、ユニセックスデザインの標準服導入についての検討をお願いした。
・性的マイノリティをテーマとした人権教育研修を毎年実施している。
・中学校の標準服を男女別ではなく、A・B・Cタイプとしている。
・児童・生徒の理解のための資料において、性別の記載をなくした。
・標準服の選択の自由
・LGBTに関連した授業、教員向け研修を実施
・標準服の見直し 生徒手帳等での記載では「男子生徒用・女子生徒用」などの表記ではなく、「Aタイプ・Bタイプ」などの記載に変更している。
・自認する性別の制服を認めている。
・標準より長い髪形を一定の範囲で認めている。
・全中学校(8校)の生徒を対象としたアンケートを実施し、各中学校における指導改善を進めた。
・中学校の標準服のタイプの見直しにより、男女問わず標準服のタイプを選択できるようにした。
・人権教育研修において教員への意識啓発を図った。
・指導主事の学校訪問の際に、人権教育プログラムを用いて無意識の思い込みに気付き言動の見直しを促すよう指導助言を行った。
・令和4年度、第1回副園長・副校長研修会(6月実施)にて「性同一性障害や性指向・性自認に係る 児童生徒への対応について」をテーマに専門家による講義を実施し、その中で、「アンコンシャス・バイアス」について触れ、理解啓発を図った。
・全中学校の標準服について男女別ではなく、AタイプBタイプ等の表記とした。
・入学式、卒業式における呼名、証書授与の順序、席順などを原則男女混合とした。
・令和3年度に、足立区教育委員会が「性の多様性に関する困りごと対応マニュアル」を作成し、全ての区立小中学校に配布。アンコンシャス・バイアスの是正、性の多様性への対応について具体例を示し、各校で研修資料として活用するよう指示している。
・教員向けに無意識の思い込みに気付き、学校の取組を見直す研修を実施した。
・掲示物の男女別をやめた。
・男女混合の整列方法も取り入れる。
・21教指送第2304号「校則見直し等の取組の徹底について(通知)」(令和4年2月17日付江戸川区教育委員会)等の区通知において、男女で分けて表記している校則(標準服の表記【デザインの見直しも含む】、髪型、男女の背の順 等)多様性を認めていく昨今において、男女を限定し、選択の余地を与えないような校則については速やかにその内容を変更するか、社会通念に照らして必要かつ合理的なものになっているか再度確認を行い、必要がない場合は削除することを指示した。
・年度初めの校長会にて、男女で掲示物の色を変えるなどを具体例として挙げ、見直しを行うよう周知した。
・指導主事が学校訪問の際に掲示物の男女での色分けなど見直す必要があるものは確認し、学校へ助言している。
・人権教育推進委員会において、無意識の思い込み(アンコンシャス・バイアス)に気付いて言動等を見直していくことの大切さについて周知した。
・定例の校長会や副校長会において、服務に関する注意喚起と関連させて各校における日常の教育活動や学校運営を振り返るよう働きかけ、必要に応じた改善を促した。また、教員の年次研修や新任主任教諭及び主幹教諭研修、夏季教員研修(人権に関する研修)の内容と関連させて、日常的な指導を振り返らせるようにした。
・児童生徒を呼ぶ際には、男女共通で「~さん」と呼ぶようにしている。
・中学校において、制服を標準服とし、生徒が自分でスカートやスラックスを選択できるようにしている。
・校長会、副校長会にて指導した。
・中学校の標準服(制服)の見直しをしている。女子のスラックスについては、現在11校中7校が可、令和5年度から追加で2校が可とし、2校が検討中である。
・標準服について、市立中学校のうち9校がスカートとスラックスを選べるようにしている。残りの2校についても、令和5年度からスカートとスラックスを選べるようにする予定である。
・中学校における標準服については、自由に選択できるようにしている。
・中学校において制服の見直しを行った。
・全ての教職員が毎月、小平市立学校服務事故再発防止チェックシートに取り組む中で、児童・生徒への言動において、LGBTへの配慮を踏まえ、敬称について振り返りを行った。
・中学校全校で、標準服(制服)のスカート・スラックス等の選択が自由にできるようになりました。
・ある学校では、男子・女子ではなく、タイプA・タイプBと呼称し、標準服(制服)の選択肢から「男女」という表現を廃したとの報告を受けています。
・体育における男女共修
・これまでにも人権教育プログラム等を活用した研修は行っているが,改めて見直しをしたという事例はない。
・職員会議を活用し、研修会を実施した
・ビデオ教材を活用した、研修会を実施した
・男女別の整列を見直し、男女混合とした
・中学校の入学説明会において、女子用スラックスの購入案内を全参加者に配布した。(これまで個別の相談に応じていた。)
・各学校によって、呼名を「〇〇さん」で統一、持ち物や名前シールを男女で統一、学校要覧の児童在籍数について男女別の表記を廃止、「性の多様性について」をテーマに講演会を実施、アンコンシャス・バイアスについての研修等の実施、標準服の自由化や女子標準服にスラックスを導入等の事例があります。
・校則の見直し 制服女子のスラックス導入 など
・教員向けに無意識の思い込みに気付き言動の見直しを促す研修を実施した(市教育委員会主催研修)
各学校の人権教育担当参加する人権教育推進委員会において、市の平和・人権課と連携を図り無意識の思い込み(アンコンシャス・バイアス)に関する研修を実施した。また令和4年度「男女共同参画週間」の実施について(通知)において、これまで慣例で行ってきた学校の取組を男女平等参画の視点から振り返り見直すよう通知した。
・人権教育推進委員会にて、無意識の思い込みに関する研修を実施し、各校で伝達研修を実施するよう指導した。
・中学校における標準服について、「Aパターン」「Bパターン」などと提示し、性別によらず選択できるようにした。
・制服を女子生徒のために、スラックスに順次変更していたり、選択したりしている。
・町立中学校では、保健体育科の学習を生徒の心理的な抵抗感の少ない種目、内容等を考慮して男女共習で実施している。
・持ち物の男女での色分けをやめた(防災頭巾カバーの色を男女同色にした)
・西多摩郡人権教育推進委員会にて、教員向けに無意識の思い込みに気付き言動の見直しを促す研修を実施した。
・「さん」付けで呼ぶ。
・卒業式、入学式において、入場、並び順を混合にしている。(男女分けていない)
・教員向けに無意識の思い込みに気付き言動の見直しを促す研修を実施した。
・校長が教員向けに無意識の思い込みに気付き言動の見直しを促す指示をした。
・従前より、男女で分けることは行っていない。(定期健康診断は除く。)