新着情報

ブログを更新★【報告その2】「映画○月○日、区長になる女。」小金井上映会&トーク

(報告その1はこちらをご覧ください)

ひとり街宣はこうして始まった

 芹澤さんのひとり街宣の始まりを聞いてみました。

 2022年の杉並区町選挙で岸本さんが選挙を無事に駆け抜けるために週に1日岸本さんのおやすみを設けていました。岸本さんの休息は不可欠と考慮しながらも芹澤さんはこう考えていました。「杉並区内には19の駅があり、どこにも岸本街宣が行われていない日が生じるというのは恐ろしい…、岸本さんの代わりになるわけではないけど、街宣に立とう!そして仲間にも街宣に立ちましょう!と呼びかけました。私の心の中ではその日から選挙中は毎日街宣に立とうと決めました。」

そしてひとり街宣は市民に広がり、街宣に立った人の中には区議会議員選挙に立候補する人が生まれ、区議になった人もいます。

 都知事選ではこのひとり街宣というアクションがSNSを通じ、日本中に世界中に発信されていきました。《東京の駅ひとり街宣マップ》というのが作られ、700の駅にのべ3000人の人がひとり街宣に立ちました。意思表示をしたい人はいるのです。ただ従来の政党中心の選挙では関わりようがない、とアクションできずにいたのです。SNS発信を通じそれが可視化できるようになり、見た人が『これならできる!』と思い広がっていったのではないでしょうか。芹澤さんが始めたひとり街宣が政治選挙を住民に身近に感じさせ、公選法の範囲内で一人でもやれることがあるという『発明』だったと言えます。

 ひとり街宣では伝えたいメッセージを掲げて立っていると、話しかけられることもあり、楽しく話題が弾むのだそうです。

「10月の衆議院議員選挙の時はボードに投票日までのカウントダウンを示したり、投票整理券が届くのに時間がかかっていても手ぶらで期日前投票にいけるよ!というようなことも伝えました。投票日当日、選挙結果と23区内で杉並が投票率が一番高かったことをがボードに書いて地元駅に立つと、『選挙なんて言っても行かなくても同じかと思うこともあるけどやっぱり1票の積み重ねが大事なのね』なんて会話も生まれました。」

ミュニシパリズムを耕していく

 ミュニシパリズム(municipalism)とは「地域主権主義」と訳します。住民が主体的に地域の合意形成に参加することを重視する民主主義の考え方や取り組みを指しています。自治に取り組む住民が地域の課題に向かいないながら、選挙や政治を嫌わずに政党任せにせず、繋いでいくことと考えています。

「選挙は大好きで…」と選挙を楽しむ目線を持つ宍戸さん。「香川1区もそう(香川1区選出の衆議院議員の小川淳也さんを17年間追ったドキュメンタリー映画『なぜ君は総理大臣になれないのか』2020(令2)年に公開)、映像の力はすごいと感じています。候補者にはいろいろ周囲がそれらしく振付を指導されたりもするが、なぜ選挙に立つのか、自分の原風景みたいなものをしゃべってほしい。上手くなくても、淀みなく喋らなくてもいいからと思った。岸本さんのように政治の『素人』が選挙に出て耕していくことが必要なのだと思う。小金井は「市民」という枠組みが本当に成立しているところだと思います。小金井に越して来てそれが新鮮でした。」

 最後に漢人さんから「課題を持った市民が政治とつながる、それは大変なことなのだけれども、大事なのは楽しくつながることにこだわること。もう無理矢理にでも楽しくするという姿勢がとても大事で、小金井ではそれなりにやれてきたと思う。小金井で私たちがやってきたことはミュニシパリズムという言葉がふさわしいなと思っている。市民活動は選挙や政治を嫌って距離を取り活動するというのがあったが、そこをちゃんと政治や選挙に繋いでいっている。地域の選挙もそうだし国政もそう。政党任せにしないで市民が関わる、ということをやってきた。そんな積み重ねが小金井では培われている。」

 杉並で、小金井で、東京西側からじわじわとミュニシパリズムが染み渡っていっています。

参加者の感想(アンケートから)

・わかりやすくて、元気になった。

・宍戸さんの「誰でもそこにいていい」をそのままやれたらいいなと思います。お前達は山へいけ、ともよく言われますが、しつこく小金井に住み続けたいなと思います(笑)。

・自分の地域のミュニシパリズム運動にアイディアたくさんいただきました。

・民主主義、市民自治の「意味」みたいなものについて考える材料になりました。過去の選挙のことなどを思い出して、そのことについての解釈などにも思考が少し進んだ。

・昭島市民で、市長選は悔しい結果になりましたが、また4年後にはこの映画のような選挙にしたいと思いました。またほかの選挙でももっと応援・活動していこうと思いました!

・日々の中では絶望的な気持ちになることが圧倒的に多く、また、その気持ちを共有できることばを交わせる人がほとんど身近にいないので、希望を感じられる。しかも、近い場所での近年の出来事を、地域のみなさんと一緒に見られたことがとてもうれしかったし、あきらめない気持ちをつなぎとめる力をもらいました。


さあ、これからもミュニシパリズムを耕そう!

(報告:岡田ちひろ)