緊急提言

緊急提言

  1. “はけ”と野川を壊す 都市計画道路はいらない

    小金井市の南側に東西に広がる“はけ”とよばれる自然が奇跡的に残っています。ところが、いま、幅16Mと18Mの2本の東京都の都市計画道路が、この都市部には珍しい湧水、野川、雑木林、坂道などがつくりだす里山的自然を分断しようとしています。

    小金井の人達は、汚れた野川をよみがえらせ、今ではカワセミもやってくる清流になりました。近くにはオオタカも営巣しています。豊かな生態系の証です。

    ムジナ坂と呼ばれる江戸時代から農作業のために使われた道があります。その脇のお宅には、戦後まもなく、作家の大岡正平が滞在しました。名作「武蔵野夫人」は“はけ”を舞台にしています。ムジナ坂も、このお宅もコンクリートの都市計画道路によって破壊されてしまいます。

    この都市計画道路のパブリックコメントには2,000人を超える人達が反対意見を届けました。ところが、その声は無視され、昨年3月、10年以内に事業化されることが決定されてしまいました。9,000人近い反対署名も提出され、小金井市議会も見直しの意見書を出しましたが、いまだ、東京都の姿勢は変わっていません。
    小池知事は、選挙中のアンケートでは「現地を視察し、見直しも検討する」としていましたが、1年近くたった今も、現地には来ていただけていません。

    小金井市民が大切にしてきた“はけ”と野川の自然を守るために、将来に禍根を残す都市計画道路を撤回させましょう。

    クリックで拡大       作成:はけの自然と文化をまもる会
  2. 食の安全と安心を脅かす 豊洲移転は中止、築地再整備で ~豊洲決定プロセスの解明

    1つ目のポイントは、「安全・安心」の確保です。
    4月の新聞社の調査では、都民の多くが不安を感じていて、「移転賛成」はわずか16%、「十分な安全対策で移転」が37%、「移転反対」が29%です。
    「十分な安全対策」には2年間のモニタリング調査が必要です。でもその結果で、汚染地域指定が解除される保証はありません。「安全・安心」の確保のためには、80年の実績がある築地での再整備がベストです。

    2つ目のポイントは、コスト、都民の負担です。
    維持管理のコストは、築地再整備なら年15億7000万円に対し、豊洲に移転すると76億7000万円と5倍、61億円も増えます。この経費は、結局、私たちの税金か、市場業者が負担することになりますが、過大な負担による廃業も心配です。
    また、築地現地で順次改修するローリング再整備なら780億円という試算も発表されました。豊洲移転によるコストの13年分で賄えます。豊洲に移転すれば50年で3000億円もの負担増です。築地再整備の方がコスト的にも妥当です。

    3つ目のポイントは、築地市場で働くみなさんの意向です。
    昨年4月の市場関係者へのアンケート(無記名)では、「築地で営業を続けたい」が82.9%でした。
    今年3月には、水産仲卸業者の70%以上の「移転反対」署名が都に提出されています。署名数は現在約90%にのぼっています。これは相当に重い数字です。
    「安全・安心」「市場の機能性」「行政への不信」「経済的な見通し」などの理由から移転に反対している市場関係者の意向を尊重すべきではないでしょうか。
    築地ブランドを守り、築地再整備を進めましょう。

    5月11日、築地市場現地見学会。鈴友三浦水産の三浦進さんにご案内と解説をいただきました。