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【報告】7/14オープンセミナー第4回「生物多様性地域戦略を使いこなそう!」

 7月14日午後は、坂田昌子さんを講師に迎え、グリーンな東京オープンセミナー第4回「生物多様性地域戦略を使いこなそう!」を開催。都議会会議室とオンラインで、参加者は50人を超えました。

 生物多様性の国際会議と日本各地の現場を駆け回っている坂田さんの、その豊富な経験と熱い思いを通して語られる、具体例を引いてのひとつひとつのお話がとても興味深く、何度聞いても頷きと納得です。

◆COP10の愛知ターゲット「達成ゼロ」を真摯に受け止める

 2022年12月COP15での「昆明・モントリオール生物多様性枠組」採択、2023年3月の「生物多様性国家戦略2023-2030」閣議決定を受けて、東京都でも、この4月に「東京都生物多様性地域戦略」とアクションプランが発表されました。
 2010年COP10の愛知ターゲット「達成ゼロ」という事態を受けて、2030年までに生物多様性の損失を止め、回復軌道に乗せるネイチャーポジティブ実現を宣言する重要な計画です。

◆ 様々な主体と連携し、「暮らしと自然の未来像」を描く

 でも、残念ながら、地域戦略の策定とその意味が十分理解・周知されず、単なる「自然環境施策の基本構想」「緑化計画の強化」程度と捉えられている傾向があるとの指摘。まさに、私もこの間の委員会質疑の中で感じていたことでした。

 「生物多様性の回復」とは、「暮らしと自然の未来像」を描き、新たな「地域づくり」を実現することで、そのためには、マルチステークホルダー(国連の9のステークホルダー:企業及び産業、子ども及び青年、農民、先住民族、地方自治体、NGO、科学・技術者、ジェンダー、労働者及び労働組合)が参加する推進組織が必須とのこと。

 この4月にできたばかりの東京都の地域戦略はよくできているのに、これがちゃんと理解されずに埋もれてしまう危険がいっぱい!と、いずこも同じ行政内での環境部局の弱さを確認しました。計画推進のための自然環境保全審議会委員にマルチステークホルダーの参加を実現しなければ…

◆粘り強く、未来を見据えた取り組みを続けよう

 最後にアメリカの社会運動家ビル・モイヤーの社会変化のプロセスを示したグラフをかみしめて、着実な提案型の取り組みのために、今後も継続した学習とチェックを!と締めくくられました。
 ということで、秋に、坂田さんと「東京都生物多様性地域戦略」を読む連続セミナーを企画しようということになりました!