政策

市民みんなでつくる〈東京政策〉

この〈東京政策〉はオープンテキストです。みなさんからの意見、提案によって、ブラッシュアップしていきます。市民がつくる〈東京政策〉に参加ください。

<2023.12.21更新> *PDFファイルはこちらをご覧ください

 

小金井から変える 市民が変える 人に寄りそうグリーンな東京

 

◆● 2024年度予算編成に対する重点政策 ●——————————

 

 気候と生物多様性の危機が深刻さを増すなかで、大都市東京の責任が大きく問われています。道路事業・大型開発などを含むすべての事業の抜本的な見直しへと、一刻も早く舵を切るべきです。コロナ禍の3年の教訓をもとに、ケアを社会の真ん中にした、福祉・保健・医療の立て直しも求められます。2024年度予算の編成にむけて、「人に寄りそうグリーンな東京・東京政策」に基づいて重点政策について提言します。

 

  1. 1. 都市計画道路「小金井3・4・1号線」「小金井3・4・11号線」の事業化に向けた動きを中止するとともに、第四次事業化計画後の検討にあたっては優先整備路線としての位置づけをやめ、都市計画の見直しを始めること
  2. 2. 神宮外苑再開発はいったん立ち止まり、146本のいちょう並木の保存をはじめ事業計画を抜本的に見直すこと
  3. 3. 有機フッ素化合物(PFAS)汚染の実態把握のため地下水調査強化と血液検査を行い、汚染拡大を防ぐため米軍横田基地への立入り検査と保管PFASの速やかな撤去を求めること
  4. 4. 都立学校及び市区町村立小中学校の学校給食費100%無償化を速やかに実施すること
  5. 5. 滝山病院の入院患者の転退院意思を的確に把握し、速やかに対応すること
  6. 6. 「東京都生物多様性地域戦略」を全庁的に強力に推進すること
  7. 7. 気温上昇が加速とのIPCCの報告を踏まえ、都立学校及び市区町村立学校の教室温度の適正化と省エネを図るため、現状確認と速やかな断熱改修・改築を進めること
  8. 8. エネルギー貧困世帯の調査を促進し、都営住宅の断熱改修の加速、生活保護受給者等への高効率エアコンへの買換え補助などの対策を検討すること
  9. 9. 多摩地域における保健所管轄区域を見直して、保健所の新設、支所の整備を進めること
  10. 10. 都営住宅の拡充、および生活に困窮している人に対する家賃補助制度を創設すること
  11. 11. 東京外郭環状道路陥没事故の原因究明と再発防止対策が図られるまでは工事を再開せず、事業計画全般の再検証を行うこと
  12. 12. 標準服を導入している都立学校及び市区町村立小中学校について、100%ジェンダーレス標準服とすること
  13. 13. 「パートナーシップ制度」を事実婚、ファミリーシップ制度も含む制度とし、性の多様性が尊重される社会をめざすこと
  14. 14. 朝鮮学校への「運営費補助金」を再交付すること
  15. 15. 英語スピーキングテストを抜本的に見直し、高校入試への導入を取りやめること
  16. 16. 23区の児童相談所設置の支援、及び多摩地域における児童相談所の新増設を速やかに進めること

 

◆● 東京政策 ●——————————

 “はけ”と野川を壊す2本の道路計画は2016年に急浮上。市民の大反対にもかかわらず東京都は10年間の優先整備路線に決定しました。
 市議会は繰り返し見直しを求め、市が行った市民アンケートでも自然環境、景観、生態系を危惧する声が多数であることが明確になりました。そして、昨年11月の市長選では、2路線中止を掲げた白井市長が当選しました。小金井の「民意」は2路線の見直しを求めています。気候危機を回避するためにも自然環境の保全は必須です。時代錯誤な道路計画の事業化中止を求めます

  1. 1. 都市計画道路「小金井3・4・1号線」「小金井3・4・11号線」の事業化に向けた動きを中止し、都市計画の見直しに向けた検討を
  2. 2. 国分寺崖線の生態系の保全・再生、都内唯一の野川周辺の「自然再生事業」についての広報活動の強化を

 

 コロナ禍の3年は、この国の福祉・医療基盤の脆弱性をさらけ出し、市民生活に深刻な傷跡を残しました。「ケアを社会の真ん中に」。財政の思い切った投入、営利と市場競争に振り回されない公共基盤の再生、当事者の権利、社会的な包摂を柱とした福祉・保健・医療の立て直しに取り組みます。

(コロナ禍の経験を踏まえた、保健医療体制の再構築のために)

  1. 保健所ならびに保健相談所における保健師などの専門職の人員増。三多摩地域での保健所の増設
  2. 公的な感染症検査機関・体制の拡充。公的医療機関を柱とした医療連携の整備。私的医療機関を含む医療ネットワークの整備
  3. 二次医療圏を基礎自治体を基本の単位として見直し、各自治体の医療政策上の機能を強化すること。感染症をはじめとした政策医療の範囲を整理し、基礎自治体との役割分担と連携のあり方を見直すこと
  4. パンデミックなどの緊急時における人員のバックアップや相互補完が可能な事業・人員配置の整備
  5. 保育、障害者支援など福祉関係事業における人員配置基準の全般的な見直しと改善・引き上げ
  6. ヘルパー・保育士・看護師等の公営労働者供給事業の開設

(要介護高齢者を含む、高齢者の自立と安心のために)

  1. 7. 高齢者の社会生活を維持するための移動支援サービスの創設
  2. 8. 本人非課税・世帯課税の施設入所者をはじめとした居住費等の負担軽減
  3. 9. 家族高齢化、単身・認知症高齢者の増加を踏まえた、柔軟な生活援助サービス提供。“高齢者食堂”展開
  4. 10. 見守りのある住宅の整備。公営住宅でのワーデン(生活協力員)配置。サービス付き高齢者住宅入居者への家賃補助
  5. 11. 都市型ケアハウスの整備基準の検証、底上げ。運営状況の監査・点検の強化
  6. 12. 高齢者に配慮した労働安全衛生基準の見直し。シルバー人材センターのあり方を見直し、高齢者の就労機会の拡大と生産協同組合など新たな事業形態の創出

(障害者支援の総点検とステージアップのために)

  1. 13. 当事者の権利保全と自立支援の視点からのグループホーム事業の総点検。都営住宅における整備促進
  2. 14. 営利法人に依存しない障害福祉サービス基盤の整備。公設事業所・施設の支援、拡大
  3. 15. 見守り付きの住宅の確保、自立生活援助サービスの促進など、障害者の地域生活を可能とする体制整備
  4. 16. 精神病院における人権確保のための監査・監督体制の強化。当事者の権利擁護、措置入院、医療保護入院等の適切な運用を確保するための第三者機関の設置
  5. 17. 障害者就労施設等からの物品等調達の一層の促進。健常者とともに働く、インクルーシブな就労機会の拡大

(その他の重要項目)

  1. 18. 「生活保護は市民の権利」という原則に立った周知、手続きの簡素化、保護要件の緩和
  2. 19. 「土地については、公共の福祉を優先させる」(土地基本法)という原則に立ち返り、投機的な土地価格・家賃の高騰を抑制するとともに、低廉な価格で入居できる公的な住宅を抜本的に拡大すること
  3. 20. とりわけ、生活に困窮している人が入居できる、低廉で公的な責任で運営される住宅の確保・整備
  4. 21. 会計年度任用職員の雇止めを行わないこと。会計年度任用職員の職のあり方を検証し、継続的・恒常的に必要となる職については正規移行を図ること
  5. 22. (仮称)東京都公契約条例の制定。公共調達を通した、地域社会における賃金・労働環境の改善

 

 子どもたちが、豊かな自然や食や人の関係の中で育ち育てることができるよう、「子どもの権利」の視点から公的な環境を整えます。子どもたちや若者が、人生の同じスタート地点に立つことができる社会をつくります。

  1. 1. こども基本条例附則に定められた検討作業に早期に着手するとともに、こどもの権利を守るための第三者機関の設置
  2. 2. 子ども・若者の居場所づくり
  3. 3. 「保育の質」の確保と待機児解消
  4. 4. 公立小中学校の少人数学級と、正規教員の増配置を推進
  5. 5. 私学助成の拡充~私立高校授業料補助の拡大と私立小中学校授業料補助の創設
  6. 6. 23区の児童相談所設置への支援強化と、三多摩地域の児童相談所の速やかな新増設を
  7. 7. 学校給食の100%無償化と、食育とオーガニック食材の拡充
  8. 8. 給付型奨学金の大幅な拡充と、高額奨学金の返済免除
  9. 9. 英語スピーキングテストの抜本的見直しと高校入試への導入取りやめを

 

 ジェンダーやセクシャリティ、障がいや民族性、1400万人が暮らす東京都には、さまざまな背景を持つ人々が暮らしています。しかしながら、いまだに直接的・間接的な差別が残っていることも事実です。ヘイトスピーチなどの差別と闘う姿勢を明確にすると同時に、差別的な構造を積極的に解消する総合的な人権条例の制定と施策を求めます。

  1. 1. 都庁の女性管理職を早急に30%に
  2. 2. 標準服を導入している都立学校及び市区町村立小中学校は、100%ジェンダーレス標準服に
  3. 3. 「パートナーシップ制度」を事実婚、ファミリーシップ制度も含む制度とし、広域自治体としての役割を発揮
  4. 4. 公的広報において人権尊重・男女平等の視点を
  5. 5. 在住外国人(外国人労働者、研修生など)の権利擁護と暮らし・医療・教育などの環境・待遇改善を
  6. 6. 人権保障の観点から、「仮放免者」に対する医療、福祉、教育等に係る支援を柔軟に行うこと
  7. 7. 朝鮮人大虐殺が行われた関東大震災の犠牲者への追悼の意を明確に示し、人権教育を推進
  8. 8. 朝鮮学校への「運営費補助金」の再交付を

 

 このままでは1.5℃の上昇は避けられず、2.9℃となり、最悪の場合は2100年に5m、2300年に15mの海面上昇も否定できない、と指摘されています。
 IPCCとIEAの報告、1.5℃目標の66%の確率での実現、先進国の責任などを踏まえると、日本では2030年に2013年比で70%以上の削減が求められます。東京都の2013年比約55%削減目標の速やかな引き上げと実効性ある本気の対策が必要です。

  1. 1. 2030年までに石炭火力発電所の廃止を東京電力と政府に要請を
  2. 2. 大株主の立場から、東京電力に対して原発事故の責任と補償の要請を
  3. 3. 保育園・学校・公共施設の再生エネルギー100%へ向けて加速
  4. 4. 都立学校及び市区町村立学校の教室温度の適正化と省エネを図るために、現状確認と速やかな断熱改修・改築を
  5. 5. 急増している代替フロン対策の強化のためにフロン税を導入
  6. 6. キャップ&トレード制度(総量削減義務と排出量取引制度)をさらに強化
  7. 7. 既存住宅の断熱・太陽光発電促進政策を強力に推進
  8. 8. 新築公共施設・商業ビルエネルギーゼロを徹底
  9. 9. 2030年の新車販売EV 50%へ向けて、政府に遅くとも2035年までにハイブリット車も含めたガソリン車の販売禁止規制の要請を
  10. 10. 地域公共交通機関と自転車道の拡充・利用を促進
  11. 11. エネルギーの地産地消とソーラーシェアリングを推進
  12. 12. 環境配慮のグリーン調達を促進
  13. 13. 気候災害へのしなやかな適応力を強化
  14. 14. エネルギー貧困世帯の調査を促進し、都営住宅の断熱改修の加速、生活保護受給者への高効率エアコンへの買換え補助などの対策を検討
  15. 15. 無作為抽選の市民参加による「気候市民会議」を設置

 

 日本の面積の0.6%に人口の10%以上が暮らす過密都市・東京のあり方が問われています。多面的な機能を持つ都市農業を保全し、大型開発、「開発」至上主義ではなくグリーンインフラで自然環境を活用したまちづくり、自動車優先ではなく公共交通や自転車・歩行者優先のまちづくりへの転換を求めます。道路建設費を大幅に削減し、緑や生物多様性の保全や回復などに振り向けるべきです。

  1. 1. 身近な緑、里山的環境、自然型河川の保全・復元
  2. 2. グリーンインフラの推進
  3. 3. 地場野菜、都市型農業への支援充実
  4. 4. 農業と福祉の連携システムの確立
  5. 5. 都市計画道路の根本的見直し
  6. 6. 東京外郭環状道路計画の中止、および陥没事故の原因究明と被害者救済
  7. 7. 「東京都生物多様性地域戦略」を強力に推進
  8. 8. ペット・野⽣動物・家畜・実験動物などの動物福祉の確立/まずはペット動物取扱業者免許制の導⼊
  9. 9. 神宮外苑再開発はいったん立ち止まり、146本のいちょう並木保存をはじめ事業計画の抜本的見直しを
  10. 10. 都立公園を営利の場とする「公園まちづくり制度」「Park-PFI(公募設置管理制度)」の撤廃を

 

 豊かさを実感できる、力強い、賑わいのあるまちづくりが求められます。豊かな自然を活かした農業支援、地元商店街の活性化、域内消費の拡大、地元での雇用機会の創出、新たな雇用を創出する社会的企業への支援、テレワークをはじめとした職住接近などで、地域循環型経済の確立を進めます。

  1. 1. まち商い、地域活性化事業の推進
  2. 2. 空き家・空き店舗の活用
  3. 3. 社会的起業、コミュニテービジネス支援
  4. 4. テレワーク支援
  5. 5. 自転車専用道路・レーンの拡充
  6. 6. 地域ケア・地域医療の拡充
  7. 7. 公共サービス窓口を中学校学区に
  8. 8. 地域公共交通の拡充
  9. 9. イベント開催や支援活動などのための公共空間としての公園機能の維持・拡大を

     

 それぞれの市区町村や市民生活と密接につながっているのに、わかりにくく遠い存在の都政の「見える化」と、市民参加の制度を整えます。また、自治体からの平和行政を進め世界にも発信するべきです。

  1. 1. 市民参加・自治基本条例等の制定
  2. 2. 審議会の公募市民枠30%へ
  3. 3. 外国籍市民も含めた住民投票制度を
  4. 4. 東京空襲の資料を展示し、犠牲者を追悼する「東京都平和祈念館(仮称)」の建設
  5. 5. 横田基地からのオスプレイ撤去と米軍基地の返還を求める
  6. 6. 軍事基地の周辺住民などを監視する土地規制法に協力せず住民の権利を守ること

 

 2021年8月、世界的な新型コロナパンデミックの中で、東京都は日本政府やIOC、IPCと一体となり、開催反対の民意を無視して、オリパラ開催を強行しました。それにより、感染爆発が加速し、医療体制の逼迫により、自宅に放置されて命を落とす人さえ続出しました。さらに、大規模な汚職や談合事件が発覚するなど、東京オリパラは数々の重大な問題点を露呈させました。後世のためにも、事実に基づいてオリパラの負の遺産(レガシー)こそを明確にすべきです。

  1. 東京都として開かれた徹底的な検証を継続し、責任の所在を明確にしたうえで、負の遺産(レガシー)を教訓化すること
 

 

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