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ブログを更新★【談話】2022年度予算案の発表を受けて

本日、2022年度予算案が発表されました。コロナ禍にもかかわらず、過去最大の7兆8,010億円という予算規模です。
東京都HPで概要をご覧いただけます。
https://www.zaimu.metro.tokyo.lg.jp/syukei1/zaisei/20220128_reiwa4nendo_tokyotoyosanangaiyou/4nendo_tokyotoyosan_an_gaiyou.html

グリーンな東京として、談話を発表しました。


 

【談話】2022年度予算案の発表を受けて

2022.1.28
グリーンな東京 幹事長 漢人あきこ

◆過去最大の7兆8,010億円  ― 都財政は「コロナ禍」を乗り越えたのか

 都税収入は「コロナ禍」で予想された大きな落ち込みはなく、2021年度当初予算と比べて5,858億円、11.6%の増となり、「コロナ禍」前の2020年度当初を上回る予算規模です。
 一部の企業や富裕層が株価バブルや国家財政のてこ入れにも支えられて増収増益の恩恵にあずかったことを背景として税収は増えました。一方で、2年におよぶ「コロナ禍」により、膨大な数の零細事業者が将来の見通しを失い、たくさんの非正規労働者やアルバイト学生などが仕事を失い、多くの都民が社会生活の不自由と医療崩壊の危機の中で命の不安にさらされてきました。都民の暮らしと心には深く重い傷が残り、深刻さは増しています。

◆「コロナ禍」で明らかになった脆弱な医療・保健・福祉の再建への対応が見えない

 「主要な施策」の中に、貧困・格差との真剣な取り組みを見出すのは困難です。「コロナ禍」の教訓とは逆行する都立病院の独立行政法人化が強い異論を押しのけて盛り込まれました。深刻なパンデミックに対応する力を失っていた保健所への十分な対策が取られていません。保育士や介護従事者などのエッセンシャルワーカーの待遇の改善は社会の持続可能性と命の安心のために喫緊の課題であるはずですが、そうした問題意識も感じられません。
 「世界をリードする東京」「世界から選ばれる経済・金融都市」を目指すとしていますが、東京は産業や金融の拠点であるだけでなく、1,400万の人々が生きる暮らしと労働の現場でもあることを改めて自覚すべきです。それこそが「コロナ禍」最大の教訓であり、新年度予算の最大の課題です。


◆限られた時間と炭素予算(カーボンバジェット)に真摯に向き合い、「脱炭素先進都市」へ本気の取り組みを

 気候危機対策であるゼロエミッション東京戦略の予算が、大幅に拡大されたことは歓迎します。しかし、その内容には大きな問題があります。
 2030年カーボンハーフが目標であるにもかかわらず、2030年までのCO2削減に結びつかない水素エネルギー普及拡大に増額分の33%、温室効果ガス排出が約15%にすぎない運輸部門に同じく46%もの支出が計上され、さらにはエネルギー消費を拡大する新築住宅重視の省エネ・再エネ対策となっています。そして何よりも、再エネ拡大には増額分の15%しか計上されていないことは最大の問題点です。
 限られた時間と炭素予算に真摯に向き合う大幅見直しと、さらなる増額が求められます。

◆時代に逆行する道路事業や大型開発の予算の抜本的な見直しを

 脱炭素社会に大きく逆行する道路事業や大型開発に関する予算は、いずれも増加傾向にあるようです。市民の民意に反し、自然環境を破壊する小金井2路線をはじめ、各地で大きな係争ともなっている都市計画道路事業の検証・見直しは都政の大きな課題です。

 以上の課題を中心に、ジェンダー平等、子どもの人権などの施策を重視し、「人に寄りそうグリーンな東京」の実現に向けて、予算審査に臨みます。