ブログを更新★【要望書】「関東大震災における朝鮮人虐殺」についての要望書
本日、小池都知事と浜教育長に対して「関東大震災における朝鮮人虐殺」についての要望書を提出しました。担当を代表して建設局公園緑地部の管理課長(式典担当)に渡しました。
今年は、「追悼式典」終了後に、ヘイトスピーチを繰り返してきた団体が追悼碑前での集会を計画しています。この集会は、死者を冒涜し、さらなるヘイトスピーチを拡散するものになることは明白です。人権尊重条例に基づく「利用制限」に該当するものとして、審査会に意見を求め、占有許可を出さないことを強く求めました。
2023年8月25日
東京都都知事 小池百合子 様
東京都教育長 浜 佳葉子 様
東京都議会「グリーンな東京」
幹事長 漢人あきこ
「関東大震災における朝鮮人虐殺」についての要望書
1923年9月1日の関東大震災から今年は100年を迎えます。
関東大震災において日本人による朝鮮人への虐殺行為が行われたことはさまざまな記録、証言、調査によって明らかです。2006年、政府は内閣府中央防災会議の報告書で、関東大震災における朝鮮人虐殺の事実を確認、その背景に「民族的な差別意識」などがあったと重大な指摘もしています。1974年以降、歴代の都知事はその歴史的事実を踏まえ、毎年9月1日に墨田区の都立横網町公園で開かれる関東大震災朝鮮人犠牲者追悼式典へ「追悼文」を寄せてきました。
しかし、小池知事は2017年以降送付を取りやめ、今年も送付しないとの報道がされています。
2017年以降、「追悼式典」の隣接地で行われるようになった集会では、朝鮮人を貶め、傷つける差別的な演説がされ、「人権尊重条例」が設置する審査会はその言動をヘイトスピーチにあたると認定しました。関東大震災から100年を経た今も、公然とヘイトスピーチが行われていることを都は深刻に受け止めるべきです。「追悼文」送付取りやめが、差別意識を助長したことも明らかです。
さらに昨年は、東京都人権プラザの企画展をめぐり、知事への忖度と思われる職員の発信もあり、関東大震災での朝鮮人虐殺に言及した映像作品が上映できなくなるという事態も発生しています。
また、2016年熊本地震、2018年大阪北部地震でも、ネット上に「井戸に毒をなげた」と外国人に対する差別的投稿が相次ぎ、法務省がツイッターで冷静な行動を呼びかけるという事態も起きました。「民族的差別意識」は根強く生き続けているのです。
漢人あきこは都議になった2021年から、関東大震災における朝鮮人犠牲者への追悼の意を表明することを求める要望書を提出し、本年第1回定例会一般質問では、関東大震災100年の都の取組みには朝鮮人などの虐殺の悲劇を繰り返さないという視点が全くないことを指摘し、第2回定例会では、関東大震災100年の今年こそ、朝鮮人犠牲者への追悼の意を表明しないかと文書質問を提出しています。
一般質問では、「災害発生時の差別や偏見による人権侵害を起こさないための人権啓発事業」の求めに対して、「ヘイトスピーチは決して許されないという都民の意識を醸成」「災害時における人権侵害を防止するためには、平時からの都民の意識啓発が重要」との答弁がありました。しかし、都自らが、関東大震災における「朝鮮人虐殺」を封印したままでは、「都民の意識啓発が重要」も虚しく響きます。
小池知事の「追悼文」送付取りやめは、歴史的事実を覆い隠し、差別意識を助長し、東京都がめざす多民族共生の道に逆行するものです。今年こそ、知事はこの姿勢を改め、再考することを求め、100回目の9月1日を迎えるにあたって、以下のことを強く要望します。
- 小池知事は「関東大震災における朝鮮人犠牲者」への追悼の意を表明すること
- 小池知事は都立横網町公園で行われる「追悼式典」への「追悼文」を送付すること
- 「追悼式典」終了後にヘイトスピーチを繰り返してきた団体が追悼碑前で計画している集会は、死者を冒涜し、さらなるヘイトスピーチを拡散するものです。都の人権尊重条例に基づく「利用制限」に該当するものとして、この集会についての占有許可を出さないこと
- 「関東大震災における朝鮮人虐殺」について、学校教育や社会教育の場などにおいて、啓発と人権教育を推進すること
- 東京都人権プラザ企画展における関東大震災での朝鮮人虐殺に言及した映像作品の上映取りやめに関する背景と経緯を明らかにし、関係者に説明し謝罪すること
以上