ブログ

【報告】少数意見を排除し、非公開会議で作られた 長期欠席議員の報酬を減額する条例改正に反対します。

▲3/22都政新報 クリックすると拡大

 昨年9月に、都民ファーストとの会と立憲民主党が提案した「長期欠席議員の報酬を減額する条例改正案」について、この間、議会運営委員会内に設置した「都議会のあり方検討会」で検討されてきましたが、本日の議会運営委員会で協議結果が報告され、明日の本会議で議員提案されることになりました。

 「都議会のあり方検討会」は「無所属ひとり会派」を構成員とせず、実質的な協議は「打合会」と称する非公開で記録も残さない密室会議で行われてきました。

 明日の本会議で、グリーンな東京・漢人あきこは以下の理由で本条例改正に反対します。

  1. この条例改正は、「無所属ひとり会派」を排除した非公開の場で検討されてきました。最終段階で意見照会がありましたが、その際にグリーンな東京が提出した疑問点についての回答さえもありませんでした(*資料参照)。
    今回の提案は木下前議員の長期欠席による世論に押されて提案されたものと思われますが、議員の身分すなわち民主主義の基本にかかわる重要な制度であるにもかかわらず、記録の残る公開の場での議論はなく、根幹にかかわる質問にも答えない、このような杜撰で拙速で非民主的な手続きを認めることはできません。
  2. 都道府県議長会は、「議員に対する『報酬』を『歳費』と改めよ」と提案しています。大規模議会の議員報酬は実態として生活給となっているため、国会議員と同様の身分保障とするべきとの提案であり、この方向性に賛同します。議員報酬を役務の対価として欠席により減額する現状追認の提案には賛同しかねます。
  3. 「本会議、委員会」の欠席により報酬を減額するということは、議員報酬の役務の対象となる活動を大きく狭めるものであり、賛成できません。
  4. 本改正により、例えば2021年第4回定例会であれば、11月30日から12月15日までの16日間のうちの本会議と委員会6日の欠席により対象となり、「長期欠席した場合」とは言えません。
  5. 減額率については生活給的側面も考慮し、50%あるいは20%などとするべきです。
  6. 逮捕等による支給停止については、他府県条例の調査や有識者ヒアリングも行ったにもかかわらず何の定めもありません。推定無罪の原則により少なくとも有罪判決確定まで適用除外とするべきですし、「有罪」の内容も慎重な検討を要すると考えます。

 

– – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – –
*資料 3/17プレスリリース
– – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – –

各位

 本日開催された「都議会あり方検討会」では、「会議等を長期欠席した場合の議員報酬の扱い」について協議結果が報告、承認されました。しかし、ひとり会派に対しては事前に意見を求めたにもかかわらず、グリーンな東京が提出した以下の質問については、資料配布も回答もありませんでした。
 議員の身分にかかわる重大な条例改正を、このような疑問の声を無視した手続きで進めることには断固抗議するものです。

2022.3.17
 都議会「グリーンな東京」 幹事長 漢人あきこ

– – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – –

「都議会のあり方検討会協議結果(案)
『会議等を長期欠席した場合の議員報酬の扱い』」に対する意見について

都議会のあり方検討会
座長 山崎一輝 様
委員のみなさま

2022.3.17
グリーンな東京  漢人あきこ

 都議会のあり方検討会は無所属ひとり会派は構成員になっていません。2回の有識者ヒアリングについては傍聴しとても参考になりましたが、このヒアリングを受けた検討会は開催されていないのではないでしょうか。実質的な議論が行われていると思われる打合会の傍聴はできず会議録も公開されていないため、どのような検討・議論を経て今回の提案がなされたのか知ることができません。
 議員の身分にかかわる議員報酬の支給停止という重要な制度の創設です。意見の提出が求められましたが、意見を述べる前提として、提案内容について、以下の点についてお伺いします。

1)議員報酬を役務の対価とすることに基づく、欠席による減額制度の提案であると思いますが、ヒアリングでは、大規模議会の議員報酬は実態として生活給となっているため、国会議員と同様の身分保障とするべきという、都道府県議長会の提案「議員に対する『報酬』を『歳費』と改めよ」に反する、と指摘がありました。この点について、どのような議論がなされたのでしょうか。

2)ヒアリングでは、酬減額を定める場合には役務の内容を明確にする必要があり、議会基本条例で定めなければ不確かであるとの指摘がありました。「本会議、委員会」の欠席によって報酬を減額するということは、「政治活動を除いた議会活動及び議員活動」を議員報酬の役務の対象となる活動の範囲とする考え方を大きく狭めるものです。議会基本条例での定め、もしくは、それに準ずる議論を先行するべきと思いますが、そのような検討は行われたのでしょうか。

3)協議結果(案)では、例えば2021年第4回定例会であれば、11月30日から12月15日までの16日間のうちの本会議と委員会6日の欠席により対象となると思われます。「会議等を長期欠席した場合」とは言えないのではないでしょうか。

4)減額率については、人事院規則に基づく50%、一般職の職員に関する法律に基づく20%などの考え方もあるようですが、「不支給」とされたのは、どのような根拠・理由によるものでしょうか。

5)逮捕等による支給停止については、ヒアリング項目にもあげられていました。また、講師からは、政治的欠席についての問題提起もありました、これらについては、どのような対応になるのでしょうか。

なお、本意見については、検討会資料とし、議事録にも掲載されることを求めます。