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【声明】地方自治と市民の情報主権を守る個人情報保護条例改正を求める声明

*賛同リストを更新しました。 2022.9.3
*賛同リストを更新しました。 2022.9.18

 

 本日、無所属を中心とした全国の自治体議員と首長51名(前元職含む)の賛同で、「地方自治と市民の情報主権を守る個人情報保護条例改正を求める声明」を発表しました。

 個人情報保護条例は住民の権利を守り支えるために自治体が積み重ねてきた努力の象徴であり自治の結晶とも言えます。その歴史と精神が乱暴に否定されようとしているにもかかわらず、多くの自治体では政府の示すままに自治を後退させる方針です。
 マスコミ報道などもほとんどなく、その重大さに比して社会的な関心、注目がとても低い現状です。
 この声明が問題喚起に寄与し、各地の自治を守る取り組みの力となることを期待します。

PDFファイル https://kandoakiko.com/wp/wp-content/uploads/2022/09/seimei0903.pdf


 

地方自治と市民の情報主権を守る個人情報保護条例改正を求める声明

 個人情報保護条例は住民の権利を守り支える自治体の努力の象徴であり自治の結晶
自分の個人情報が、誰によって何のために集められ、どう管理され利用されているのかを知る権利、そして、自己情報が適正に管理されるよう、是正や中止等を求める権利。「自己情報コントロール権」と言われるこれらの権利を実現するために、1980年代以来、全国の自治体で個人情報の保護に関する条例が制定され、この条例に基づく信頼のもとに、膨大な個人情報が自治体に集められてきました。国の対応が大きく遅れる中、個人情報保護条例は住民の権利を守り支えるために自治体が積み重ねてきた努力の象徴であり、自治の結晶とも言えます。
 その個人情報保護条例の歴史と精神が、今、乱暴に否定されようとしています。

政府の個人情報保護委員会による統制強化で脅かされる個人情報保護

 政府の個人情報保護委員会(以下、保護委員会)は、2021年改定の個人情報保護法に基づき、2023年4月までに既存の条例を廃止し「個人情報保護法施行条例」を制定するよう自治体に求めています。保護委員会は、施行条例においては個人情報保護法の規定を越えて、もしくは広げて保護の措置を置くことは許されないとしています。活発化する官民や地域の枠を超えたデータ利活用に対応するために、本人からの取得の原則、目的外利用・外部利用の原則禁止、第三者機関である審議会によるチェックを前提とした例外規定など、自治体条例の多くが採用している原則は許されないというのが保護委員会の姿勢です。条例とともに積み上げられてきた個人情報保護の経験と実績、自己情報コントロール権確立のための地道で粘り強い歩みが清算されかねない事態です。

「ガイドライン」の押しつけは地方自治の侵害

 保護委員会は政府の法解釈を代表するとして膨大な『ガイドライン』を公表し、そこでは「しなければならない」「してはならない」といった用語が多用され、従わなければ「違法とされる可能性がある」と、まるで脅しのような強圧的な言葉を使って自治体の動きを統制しようとしています。
 しかし、地方公共団体が自ら管理する個人情報に関する事務は固有の自治事務であり、自治事務に関する個別法の解釈権は国ではなく自治体に帰属します。『ガイドライン』が押し付けようとしている様々な規定や解釈は個人情報保護法や政省令の明示的な規定によるものではなく、そもそも『ガイドライン』は厳密には地方自治法に基づく技術的な助言ですらありません。

地方自治と市民の情報主権を後退させないために

 私たちは、保護委員会に対して、地方自治の大原則を危うくするような姿勢に抗議し、条例改正における自治体の自主的主体的な判断を最大限尊重するよう強く求めます。それは、法成立の際の附帯決議において、国会が強く求めているものでもあります。
 そして、地方自治の本旨に立ち返り、自治体に膨大な個人情報を預けてきた住民の信頼を裏切らず、自己情報コントロール権の確立を求め、個人情報保護の水準を後退させることのないよう、全国の自治体の首長、議員のみなさんと連携して最大限の取り組みを進めます。

2022年8月30日

<賛同議員・首長> 

五十嵐やす子(東京都板橋区議)、五十嵐智美(千葉県佐倉市議)、池尻成二(前東京都練馬区議)、いそがわゆか(大阪府吹田市議)、市原広子(元東京都狛江市議)、一色風子(兵庫県西宮市議)、伊藤正子(埼玉県川越市議)、伊藤とし子(千葉県議)、植田真紀(香川県高松市議)、内田みえこ(千葉県我孫子市議)、内田あき子(埼玉県八潮市議)、内山さと子(東京都武蔵野市議)、奥山妙子(東京都杉並区議)、小田川あつ子(千葉県白井市議)、川口絵未(千葉県佐倉市議)、漢人あきこ(東京都議)、坂井えつ子(東京都小金井市議)、重松朋宏(東京都国立市議)、柴田圭子(千葉県白井市議)、嶋﨑英治(東京都三鷹市議)、白井なおこ(東京都日野市議)、関口 博(東京都国立市議)、高橋 登(大阪府泉大津市議)、田中まどか(埼玉県日高市議)、田中紀子(千葉県木更津市議)、田中和子(東京都文京区議)、辻よし子(東京都あきる野市議)、中村まさ子(東京都江東区議)、中山 均(新潟県新潟市議)、のぐち英一郎(鹿児島県鹿児島市議)、野村羊子(東京都三鷹市議)、橋本久雄(東京都小平市議)、披田信一郎(元茨城県龍ケ崎市議)、福嶋浩彦(元千葉県我孫子市長)、福田光一(東京都北区議)、布施由女(東京都清瀬市議)、米田晴彦(香川県議)、増田京子(大阪府箕面市議)、増田 薫(千葉県松戸市議)、松﨑百合子(福岡県大野城市議)、松谷清(静岡県静岡市議)、丸尾 牧(兵庫県議)、水口かずえ(東京都小平市議)、光吉 準(前岡山県鏡野町議)、皆川りうこ(東京都国分寺市議)、森あやこ(福岡県福岡市議)、森本由美(福岡県北九州市議)、矢澤江美子(埼玉県八潮市議)、弥重節子(島根県益田市議)、湯谷百合子(前埼玉県蓮田市議)、よつや薫(兵庫県西宮市議)、
秋葉就一(千葉県議)、高口ようこ(東京都練馬区議)、松本みのり(広島県庄原市議)
奈須りえ(東京都大田区議)、伊地智恭子(東京都多摩市議) …以上56名(2022.9.18現在)   
   

<連絡先> 東京都新宿区2-8-1都議会5階南「グリーンな東京」 漢人あきこ
         TEL:03-5320-7280