【報告】12/17第3回オープンセミナー「こども基本条例で何が変わるの?」
(報告=岡田ちひろ)
12/17(土)、グリーンな東京が主催するオープンセミナー「こども基本条例で何が変わるの?!」をスペースチェンジ(漢人あきこ事務所)を会場に、Zoomも併せて開催しました。
昨年4月から施行された「東京都こども基本条例」をテーマに、この条例のポイントと施行から1年余の東京都の取組みと方針を共有し、参加者と意見交換を交え、以下のような流れで行いました。
〇東京都こども基本条例の現状…漢人あきこ(都議会議員)
〇こども条例を使いこなそう…関戸博樹さん(日本冒険遊び場づくり協会代表)
〇子どもに係わる現場から
…保育(邦永洋子さん/インクルーシブ(保護者)/朝鮮学校(上村和子さん)
〇みなさんと意見交換
=進行は田頭祐子さん
〇東京都こども基本条例の現状 全てのこどもが誰一人取り残されることなく…
漢人都議から、この条例はどんなものなのかというレクチャーから始まりました。2021(令和3)年第一回都議会定例会において議員提案、可決・成立し、4月1日に施行しました。
条例本文は東京都福祉保健局のサイトにて見ることができます。私は3人の子どもの保護者で、子どもとの日々に悩んだり喜んだりを繰り返し生きる中で、躾なのか、子どもを一人の人間としてやりたいことやりたくないことをどう認めていくのか、考えて考えて疲れ果ててしまうことがあります。この条例本文を読んだときに、「我が子だけでなく、すべての子どもの権利を擁護する社会をもっと希求して良いのだ。そうしなければ、子どもたちの真の幸せは守れないんだ、守らなければ!」と勇気が湧きました。
東京都福祉保健局「こども基本条例」はこちら
チルドレンファースト 子供政策の加速に向けた論点整理
〇こども条例を使いこなそう
続いて、日本冒険遊び場づくり協会代表でフリーランスのプレイワーカー&トレーナーである関戸博樹さんのお話に。どのようにしてそれぞれの大人が自分達の実践に条例を活かすのか。市民にできることは「自分たちの活動」と「子どもの権利条約」との関係性を言語化することである、と言う。更に東京都や国がすべきことは、子どもの権利に関する法律の制定、子どものグローバルスタンダードを築き上げること。今まで縦割りだった行政が根拠法を持つことで、働きかければ、横串を通し連携してもらうようになるだろう。
印象的だったのは「(子どもの日々は)おとなに組み込まれた押し付けられたものが多い中で、子ども自身で自分の人生を手作りすることが必要です。今までは遊びは後付け、後回しにされがちだったが、日本が批准している子どもの権利条例ではその「発達」の権利として、第31条に「遊ぶ権利」が記されている。「遊ぶ権利」の取説としてジェネラルコメントNo.17を使ってほしい。子どもたちの育ちたいという莫大なエネルギーを外遊びは受け止めてくれる。子ども時代には他者への迷惑を顧みないことも必要です。子ども時代に子どもでいられなかった子どもは大人になれない。」というコメント。進行の田頭さんからの「誰もが子どもじゃなかったことはない。子ども心をおとなは思い返してほしい」と言う言葉にも頷きました。
遊ぶ権利とは?
International Play Association「子どもの遊ぶ権利のための国際協会」
ジェネラルコメントNo.17とは?
「遊ぶ権利」って何だろう。GC17(ジェネラルコメントNo.17)を読んでみませんか?
〇子どもに係わる現場から…保育/インクルーシブ/朝鮮学校
保育の現場から子どもの遊び場を小金井市で作ってきたNPO法人こがねい子ども遊パーク代表理事の邦永洋子さん、インクルーシブ教育について支援級に在籍する子の保護者の方、朝鮮学校の補助金不交付の現状に関することを国立市議の上村和子さんから伺い、参加者と意見交換をしました。
どのテーマにおいても「すべてのこどもが誰一人取り残されることなく」と言うことが求められていました。
素晴らしい条例は使わなくてはただの飾りなのです。今ある子どもたちの問題の解決には「子どもの権利条約」「子ども基本条例」を子どももおとなも議員も行政も知って使いこなしていかなかればと思いました。今回、このオープンセミナーで東京都のこども基本条例を知ったことで、「こどもは、大いなる可能性を秘めたかけがえのない存在である。社会の宝であるこどもは、また社会の一員でもあり、あらゆる場面において権利の主体として尊重される必要がある」条例本文冒頭の言葉のように子どもたちを愛して仲間であっていいのだ、と力が湧きました。