【報告】9/29、10/3「キャップ&トレード制度」「地球温暖化対策報告書制度」~環境確保条例改正の質疑と採決
9/29環境・建設委員会では、カーボンハーフ実現に向けた既存建物に係る制度の見直しのための「都民の健康と安全を確保する環境に関する条例の一部を改正する条例」の審査を行いました。
大規模事業所に対する温室効果ガス排出総量削減義務と排出量取引制度(キャップ&トレード制度)と、中小規模事業所に対する地球温暖化対策報告書制度をそれぞれ強化する内容です。
特に「キャップ&トレード」は東京都が先駆的に取り組み、成果を上げてきた注目の制度で、今回は2025年からの第四計画期間の削減義務率を50%(現在27%)へと強化するなどの意欲的な提案です。しかし、いま先進国に求められている「2040カーボンゼロ」の達成にはまったく不十分と言わざるをえません。
9/29の録画はこちらでご覧になれます。
➡https://metro-tokyo.stream.jfit.co.jp/?tpl=play_vod&inquiry_id=806
漢人の質問は1:50:08あたりから約10分
途中30秒ほど議会局の操作ミスのため静止画像になっています。
10/3の録画は画面を戻って日付を選択すると表示されます。
10/3の委員会では議案の採決を行い、条例は全員賛成で可決しました。
採決にあたって意見表明したのは漢人だけで委員会も5分程度で終わりました。
以下、委員会で述べた賛成にあたっての意見です。
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都民の健康と安全を確保する環境に関する条例の一部を改正する条例について意見を述べます。
今回の条例改正は、2050ゼロエミッション東京、2030カーボンハーフに必須の産業・業務部門のCO2排出量削減の決め手となる、大規模事業所に対する「キャップ&トレード制度」と、その他の中小規模事業所の「地球温暖化対策 報告書制度」の強化を内容とするものです。
特に、「キャップ&トレード」は東京都が先駆的に取り組み、成果を上げてきた注目の制度でもあります。
環境基本計画の改定、審議会での議論、パブコメなど、事業者の理解も得るため2年半にわたる準備期間を設け、意欲的な内容で提案されたものとして評価し、担当のみなさんに感謝します。
しかし、この1年、さらにこの数か月の間にも、グテーレス国連事務総長の言葉を借りれば、地球のあらゆる場所で起きている異常気象は私たちが対応できる速度を超えていて、気候は崩壊しつつあります。
先進国には、「2040年ゼロカーボン」が求められ、「一刻の猶予もない」状態です。
今回の条例・制度改正が、このような事態に対して十分に対応する内容であるのか、との判断が求められます。残念ながら、答えは「ノー」です。
先日の質疑で、今回の制度改正では、環境基本計画の産業・業務部門の「CO2排出量半減」という目標の実現は不可能であり、2030カーボンハーフは達成できないということを指摘しました。
世界のCO2排出量第5位の日本の首都・東京が当然果たさなければならない「2040年ゼロカーボン」どころではありません。
2040年カーボンゼロにむけた環境基本計画の速やかな見直しと、本制度については対象事業所の拡大や義務やペナルティの強化などが求められます。
そのために必須なのは、2040カーボンゼロへの知事の決断、そして全庁的な取り組みです。
気候崩壊の現状と、必要な対策を、最もよくわかっている環境局からの知事と庁内そして事業者に対しての強力な発信に期待し、お願いします。
本条例については、進行する気候崩壊に対して全く不十分ではありますが、現状の対策からは大きく前進するものではあることから、今後の早期の見直しを強く求めて賛成します。