【調査結果報告と申し入れ】 小中学校の出席簿が99.6%、小学校は100%混合名簿に。標準服は79%がジェンダーレス化。100%導入にむけて自治体としての方針化を
昨日、調査結果を公開したところ、本日、唯一混合名簿未導入の多摩市から回答票の差し替えがあり、今後の対応について「検討中」から「来年度4月から導入」に変更になりました。したがって、来年2024年4月に都内区市町村立小中学校等の出席簿が100%混合名簿となることが決まりました。
1990年に小金井市議会に一市民として「出席簿を混合名簿にすることを求める陳情書」を提出してから33年です。
なお、回答数値のまちがいとこちらの転記ミスがありましたので、集計表と総括表の小学校と義務教育学校と合計の学校数を訂正しデータを差し替えます。また、確認中の2自治体から回答がありましたので標準服の備考欄などを修正しました。2023.10.12
一昨年から継続して3回目の、都内の区市町村立小中学校等の調査を行い、調査結果報告を添えて、知事と教育長に申し入れを行いました。
◆調査結果
<混合名簿>
・小学校100%、中学校98.7%、義務教育学校100% 全1871校では99.6%が使用
・未使用校は1市の中学校8校のみ ➡2024年4月から導入予定
<標準服>
・標準服を定めているのは、小学校3%、中学校97%、義務教育学校89%の633校
・「性別にかかわらずスラックス・スカートを自由選択できる」ジェンダーレス化を導入している学校は79%
・「男子はスラックス、女子はスカートのみ」および「女子のみ選択できる」学校が21%
・その半数の65校(17自治体)は「ジェンダーレス化を予定または検討しいる」と回答
・ジェンダーレス化に向けて自治体としての指針や方針を定めているのは5自治体、検討中が6自治体
*詳しくは、調査票と集計表をご覧ください。
・調査票 https://kandoakiko.com/wp/wp-content/uploads/2023/10/2023tyousahyou.pdf
・集計表(出席簿)https://kandoakiko.com/wp/wp-content/uploads/2023/10/2023tyousahyou_meibo1012.pdf
・集計表(標準服)https://kandoakiko.com/wp/wp-content/uploads/2023/10/2023tyousahyou_hyoujunfuku1012.pdf
【調査結果報告と申し入れ】
2023.10.11
東京都知事 小池 百合子 様
東京都教育長 浜 佳代子 様
東京都議会 グリーンな東京
幹事長 漢人あきこ
小中学校の出席簿が99.6%、小学校は100%混合名簿に。標準服は79%がジェンダーレス化。100%導入にむけて自治体としての方針化を
1.混合名簿 ―バックラッシュによる停滞を経て、ついに使用率99.6%に
学校教育の場からのジェンダー平等意識の醸成は重要であり、「人権条例」に掲げる多様な性の理解の推進の観点からも、多様な性自認に配慮し尊重する「混合名簿」への早急な転換を求め、一昨年から小中学校出席簿の使用状況調査を行ってきました。
都内の区市町村立小中学校及び義務教育学校では、2021年度は83.2%が使用し315校が未使用、2022年度は92.6%で138校未使用でした。今回の調査では小学校は100%、全1871校では99.6%、1市を残して、すべての学校で混合名簿が使用されていることがわかりました。残る0.4%の8校についても検討中との回答ですので、速やかな導入を求めます。
男女混合名簿の導入は1980年代から始まり、東京都も2002年の男女平等参画のための行動計画で「混合名簿の導入の推進」を定めましたが、2004年、都教育委員会は「『男らしさ』や『女らしさ』をすべて否定するような誤った考え方としての『ジェンダーフリー』に基づく男女混合名簿を作成することはあってはならない」と各区市町村教育委員会教育長等に通知し、行動計画から混合名簿は削除されました。その後長らく導入は滞っていましたが、この数年やっと正しい判断に基づく再評価の中で、再度導入が図られてきました。
昨年6月の第二回定例会の漢人の一般質問で浜教育長が、「男女平等教育の推進に向け、性別による無意識の思い込みの解消が必要。都教育委員会は都内全公立学校の教員に配布した指導資料人権教育プログラムに、男女混合名簿について記載。公立学校の校長研修会等で混合名簿を使用するなど、男女で分ける必然性がない場合の教育活動を適切に見直していくことの重要性等について周知した。」と答弁し、混合名簿の導入は大きく進みました。
2.標準服指定の633校の79%がジェンダーレス化、10%が導入予定または検討
今回は同時に標準服についても調査しました。都内小中学校等で標準服を定めているのは、小学校3%、中学校97%、義務教育学校89%の633校です。そのうち、「性別にかかわらずスラックス・スカートを自由選択できる」ジェンダーレス化を導入している学校は79%でした。
「男子はスラックス、女子はスカートのみ」および「女子のみ選択できる」学校が21%ですが、その半数の65校(17自治体)は「ジェンダーレス化を予定または検討しいる」との回答でしたので、残る64校(16自治体)の対応が求められます。
なお、標準服のジェンダーレス化に向けて自治体としての指針や方針を定めているのは5自治体、検討中が6自治体でした。
通学時に毎日着用が求められる標準服のジェンダーレス化は、アンコンシャスバイアスの解消および性的マイノリティーの子どもたちへの配慮の観点から重要であり、急速に導入が進んでいることを歓迎します。未導入の64校については学校単位に任せず、自治体としての指針や方針を定めて推進するべきです。都教育委員会としての適切な対応を求めます。
*「【集計表】 区市町村立小中学校の出席簿および標準服調査」参照
*文中の「全1875校」を「全1871校」に訂正しました。2023.10.12