【委員会報告】予算案・報告などの審査 ―3/18, 19, 21 環境・建設委員会
第1回定例会の環境・建設委員会は、補正予算などの審査は3/1、新年度予算や報告などは、3/18:環境局、3/19:建設局、3/21:意見開陳、の日程で行われました。
委員会の録画はこちらです。
https://nws.stage.ac/metro-tokyo-stream/list.html?cat=C01&list=C01_7&id=7
質問は大会派から一人づつ順番に行うので、漢人はいずれも7番目です。
以下、質問テーマと質問原稿・答弁骨子(実際には再質問・再答弁もあるなど異なります)
3/18 環境局
➊気候変動適応計画について
➋東京ゼロエミ住宅 より高い断熱・省エネの基準を
➌住宅の断熱及び省エネ性能基準の義務を強化すべき
➍乗用の燃料電池自動車(FCV)への補助について
➎食品ロスについて
➏フロン対策について
➐PFAS等対策について
➑生物多様性地域戦略について
3/19 建設局
➊都市計画道路 小金井2路線について
➋善福寺川上流調節池(仮称)について
➌西武鉄道新宿線(井荻駅~西武柳沢駅)連続立体交差事業について
➍街路樹・公園樹木の管理の基本方針と周知について
➎パークマネージメントマスタープランについて
・生物多様性地域戦略との関係
・武蔵野公園防災放送設備工事の経過と現状について
➏日比谷公園について
➐PFAS等対策について
➑生物多様性地域戦略について
3/18 環境局
➊気候変動適応計画について
本計画改定の目的が2ページに書かれています。
ここの、背景として踏まえる動向が3つ挙げられていますが、そのひとつが、昨年4月の「熱中症対策を強化するための改正気候変動適応法の可決・成立」です。
ところが、その割には、この改定案での熱中症対策の比重は小さく、大変不十分です。
Q1 東京都の熱中症死亡者数は、2019~2022年の平均で246人で、同期間の平均の交通事故死亡者数138人よりも多く、2倍近い人数です。国立環境研究所の予測では、2050年までに「熱ストレス超過死亡数は、将来期間、RCP、年代によらず、すべての県において2倍以上となる事が予測されている」と指摘しています。つまり、東京都は500人以上への増加が予測されるわけです。
この改定案では、42ページのコラムTOPICで、昨年改正された気候変動適応法では、2030年までに熱中症による死亡者数を現状から半減することを目指しています、と紹介しています。国は改正気候変動適応法に基づいて閣議決定された「熱中症対策実行計画」でも「2030年に、熱中症による死亡者数を、現状の1295名から半減する」という目標を明記しています。
そして、この改定案には「2030年に向けた政策目標」として、たくさんの目標値が掲げられています。ところが、「2030年、熱中症死亡者半減」の記載がありません。いったいなぜなのか、その理由を伺います。
➡環境政策担当部長答弁
〇 本計画(案)では、2050 年の目指すべき姿として、気候変動の影響によるリスクを最小化し、都民の生命・財産を守り、人々や企業から選ばれ続ける都市を実現することを掲げている
〇 健康分野においては、熱中症等による健康被害などの気温上昇による健康影響が最小限に抑えられていることを目指している
〇 また、2030 年に向けては、「都政及び都民・事業者の活動において、気候変動の影響を受けるあらゆる分野で、サステナブル・リカバリーの考え方や、デジタルトランスフォーメーションの視点も取り入れながら、気候変動による将来の影響を考慮した取組がされている」ことを目標に掲げ、分野ごとに今後の主な取組を示している
Q1-再質問 「2030年に向けた政策目標」は全体で70項目ほど掲げられています。改定前の2021年版もほぼ同じですが、現状の更新や、若干の増減があるようです。「健康」分野は前回と同じ4項目のままなわけです。今回の改定の3つの背景の一つの熱中症対策について、政策目標の追加がないというのは納得できません。
2点伺います。
まず、TOPICとして気候変動適応法の改正について掲載し、改正法では、2030年までに熱中症による死亡者数を現状から半減することを目指していることを記載しています。東京都も改正法に基づいて2030年熱中症死亡者半減を目指すということでよいですか。
次に、資料8に、この計画改定のスケジュールとして、「3月下旬 改定・公表」とあります。本日の委員会での審査を反映する余地はあるということでよいでしょうか。
➡環境政策担当部長答弁
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改正気候変動適応法に基づいて、昨年5月に「熱中症対策実行計画」及び「気候変動適応計画の一部変更」が閣議決定されました。気候変動適応計画には新たに第4章「熱中症対策実行計画に関する基本的事項」を追加し、熱中症死亡者半減を掲げ、「概ね5年間の熱中症対策の具体的施策を示す」と記載されたことを踏まえて、次の質問に進みます。
Q2 総務省によれば、2023年・昨年の夏に熱中症で救急搬送されたのは日本全体で91,467人で、東京都は最多の7,325人でした。救急搬送された人のうち、約40%は屋内で発症しています。さらに熱中症死亡者の約9割は屋内で、エアコンを使っていない割合が8~9割、エアコンを持ってない割合が2割強です。また、高齢者が8割以上、単身者が7割で、高齢・単身の低所得者の死亡者が多いと想定されます。
この層に対する具体的な対策はありますか。
➡環境政策担当部長答弁
〇 本計画(案)では、健康分野の一分野である熱中症対策について、熱中症予防等に関する情報発信や、市区町村の地域の実情に応じた取組を支援
〇 また、発生場所別で最も割合の高い在宅時の熱中症を防止するため、エアコンの適切な使用を促すとともに、窓などの高断熱化や高効率エアコンの導入等、よりエアコンの効果を高めることができる断熱・省エネ性能の高い住宅の普及を促進
〇 なお、都は、既に令和3年度から、身近できめ細やかな対応が可能な市区町村と連携し、使用年数の浅いリユースの省エネ家電への購入等の支援を行っており、来年度も引き続き実施するとともに、より環境性能の高い製品の選択を促すため、「東京ゼロエミポイント事業」において、買替時に加え、新規購入時にも支援対象
Q2-再質問 「身近できめ細やかな対応が可能な市区町村と連携し、使用年数の浅いリユースの省エネ家電への購入等の支援」の実施自治体と補助率を伺います。
➡環境政策担当部長答弁
( 荒川区と調布市、補助率2分の1 )
よい制度ですが、都内60自治体中、2つの自治体しか実施していないのでは、効果を発揮できません。なぜ、実施自治体が少ないのでしょうか。練馬区、足立区では、独自に一定の要件を満たした区民に対するエアコン購入ないし設置に対する補助が行われているようです。
エアコンは、今や生存権に関わるほどの重要性を持ちます。今後、気候変動が深刻化すれば、熱波による被害が増えると考えられます。エアコンの設置は、適応策として一層強い意義があります。
そして、必要な要件を確認するために、個々の住居を訪問する必要がありますから、市区町村での制度実施が有効です。
高齢・低所得層へのエアコン普及につながるよう、制度の検証と、実施自治体増加に向けた取り組みを求めます。
また、政府の気候変動計画では、「熱中症対策の推進に当たっては、熱中症による救急搬送人員や死亡者の年齢や状況等に関する調査結果、個人の体質や暑熱順化等に応じた暑さへの耐性等を踏まえ、効果的な施策を策定し、関係府省庁や地方公共団体が連携して一体的に実施することが重要」との記載もあります。
グリーンな東京は、エネルギー貧困世帯の調査と、それに基づく対策を求めてきました。
気候変動適応法に基づいて2022(R4)年に設置された「東京都気候変動適応センター」が、「夏季の都内熱中症救急搬送者数」調査を行っています。その結果から、「高齢者が多く、所得が低い自治体で熱中症救急搬送者数が多い」ことは明らかです。熱中症死亡者半減のためには、ここに照準を当てて対策することが有効というわけです。
Q3 気候変動適応計画については最後の質問です。改定案には、「熱中症死亡者ゼロを目指した庁内横断的な取組を推進します」とありますが、庁内横断的な取り組みの推進とは、具体的にどのようなものですか。熱中症対策として福祉局との横断的取り組みはされていますか。
➡環境政策担当部長答弁
〇気候変動による影響は様々な分野に及び 、熱中症対策も含め、その影響に対する適応策も分野ごとに、また分野横断的に検討・実施する必要がある
〇そのため、全庁的な推進体制のもと、関係各局と連携して適応策に取り組むこととしており、本計画(案)に具体の施策を盛り込んでいる
計画をつくったことで十分、ということでしょうか。「2030年、熱中症死亡者半減」の目標が入らなかったことは、まさに連携不足の象徴だと指摘しておきます。
➋東京ゼロエミ住宅 より高い断熱・省エネの基準を
次は住宅です。まず、より高い断熱・省エネの基準を、ということで伺います。
Q1 東京ゼロエミ住宅普及促進事業として、断熱・省エネの基準引き上げ、補助額の増加が予定されています。この点は、気候変動対策の強化として評価すべきことです。しかし、強化された基準でも、国の断熱等級7に当たるUA値0.26の基準は設けられていません。
東京都とおおむね同じ地域区分に該当する鳥取県では、UA値0.23の基準が設けられています。そして、東京ゼロエミ住宅における最も高い水準である水準3に申請した住宅の5%は、すでにUA値0.26以上です。したがって、高い水準に対する需要は十分あると考えられます。
また、断熱・省エネ性能の高い住宅は、健康への好影響、費用回収による経済合理性などのメリットが大きく、高い断熱・省エネ性能を持つ住宅を補助することは、長期的な住宅の在り方を示すことにもなります。
ア 現状の三つの基準に加え、さらに上のUA値0.26以上の断熱に当たる基準を設けるべきではないでしょうか、見解を伺います。
➡建築物担当部長 答弁
〇東京ゼロエミ住宅で新設する最上位の水準の断熱性能については、実現可能性も考慮し、現在の東京ゼロエミ住宅の上位1割程度が達成しているレベルで設定
〇こうした断熱性能は、国内最高レベルとして設定した省エネ性能とあわせて、検討会において、現時点の東京ゼロエミ住宅に求める最高水準として妥当であると評価
鳥取県でも、また、鳥取県と同様に高性能住宅を増やそうとしている横浜市でも、対応できる工務店が増えるように講習会を行うなど普及策を講じて成果をあげているそうです。より高い水準を設けることに消極的になる理由はありません。鳥取県や横浜市でできることが、なぜ東京都ではできないということになるのでしょうか。早急な断熱水準の見直し、アップを求めます。
➌住宅の断熱及び省エネ性能基準の義務を強化すべき
次は、住宅の断熱及び省エネ性能基準の義務を強化すべき、という提案です。
Q2 建築物の省エネについては、建築物環境計画書制度、建築物環境報告書制度、それらと関連した制度が主たるものとなっていて、書類の提出の義務付け、情報公開などの情報的手段、そして、各種補助金などの経済的手段が設けられています。また、2025年4月からは、国のトップランナー制度と同等の断熱及び省エネ性能基準への適合義務が設けられます。
しかし、日本全体で、2021年の新築戸建注文住宅でのZEHの割合は26.8%、新築戸建建売住宅でのZEHの割合は2.6%と、住宅の省エネ化は十分に進んでいませんから、全体的な政策の強化が求められます。
また、都は2030年までにCO2排出量の50%削減をめざしていますから、この達成のためにはCO2排出量全体の約3割を占める家庭部門での取組が重要です。
なお、繰り返しますが、断熱・省エネ性能の高い住宅は、健康への好影響、費用回収による経済合理性など、メリットが多く、技術的に可能であれば、なるべく断熱・省エネ性能の高い住宅を増やすべきです。
よって、義務化される住宅の断熱及び省エネ性能基準を引き上げるべきではないでしょうか。見解を伺います。
➡建築物担当部長 答弁
〇都は、住宅の断熱・省エネに関し、国の義務基準以上の性能を義務付けるとともに、更なる性能向上を促すため、国の義務基準を大きく上回る誘導基準を設けている
〇この制度を着実に運用することで、家庭部門CO2削減につなげていく
国全体では、2050年に住宅・建築物のストック平均でのZEH・ZEB基準の水準の省エネルギー性能の確保をめざしています。そもそも、この目標自体が世界水準からすると相当に低いわけですが、住宅が数十年は利用させることを考えれば、なるべく早い時期に全ての新築住宅が、少なくともZEH基準を満たさなければなりません。そのため、ZEH基準を下回る現在の基準では、家庭部門での十分なCO2削減はできません。目標との整合性のある政策を求めます。
➍乗用の燃料電池自動車(FCV)への補助について
次に、乗用の燃料電池自動車(FCV)への補助について、伺います。
Q3 乗用車について、電気自動車EVおよびプラグインハイブリッドカーPHEVへの補助金45万円に対し、燃料電池自動車FCVへの補助金は110万円と高額です。
水素の活用は、再エネを用いた電力では担いきれない分野において一定の必要性がありますし、電気自動車は長距離移動等を苦手とするため、特定の種類の自動車に対して燃料電池を用いることには合理性があります。しかし、乗用車については、電気自動車の高性能化を待てば足りるのではないでしょうか。まだ開発途上であり、高額な燃料電池自動車の購入を支援する必要性はありません。
グリーン水素は再エネ電力を用いて作られるため、エネルギー効率は明らかに再エネに劣ります。また、同じ分野で電力と水素の両方を活用すると、両方のインフラが混在することになりますから、コストや利用しやすさの面でも問題があります。
このような困難にもかかわらず、乗用の燃料電池自動車に対して多額の補助を行う理由を伺います。
➡気候変動対策部長答弁
〇ZEV車両には、それぞれ異なる特徴があり、燃料電池自動車は充填時間が短く、走行距離が長いなどがメリット
〇引き続き、ZEV購入支援を実施し、燃料電池自動車等の技術革新や、多様化する消費者ニーズに応じた車種の普及拡大を推進
燃料電池自動車は充填時間が短く、走行距離が長いなどのメリットがあるとの答弁ですが、そのメリットが、先ほど述べたようなデメリットを上回っていることが説明されなければ、高額補助を行う理由としては、まったく納得できません。
また、多様化する消費者ニーズに応えるとのことですが、この事業の目的は、ゼロエミッションであり、まずは2030年カーボンハーフですから、燃料電池自動車の購入を補助するより、その2倍以上の電気自動車を普及拡大させる方が、どう考えても合理的で有効です。
都の水素重視には大いに疑問がありますが、その中でも、環境局に残ったこの乗用の燃料電池自動車(FCV)への補助は、最も非合理的であると指摘します。
➎食品ロスについて
Q1 次の質問は、食品ロスの削減について、です。
食料生産、流通、加工、消費過程を含めた温室効果ガス排出量は、温室効果ガスの3分の1を占めると指摘されていますから、食品ロスを削減することは、気候対策としても極めて重要な課題です。
まず、削減目標につて伺います。
2015年のSDGsでは、「2030年までに小売・消費レベルにおける世界全体の一人当たりの食料の廃棄を半減」という目標が表明されています。ところが、都の2015年度の食品ロスのデータはなく、2017年度は51万トンです。全国の食品ロスは2015年度646万トン、2017年度612万トンで5%削減しているので、これを当てはめて算出すると、都の2015年度の食品ロスは約53万トンと想定されます。
したがって、SDGsの目標である2015年比半減を実現するには、約53万トンの2分の1の約26万トン削減をめざさなければなりません。しかし、東京都の削減計画では基準年を2000年度とし、その年の食品ロス76万トンの半減である38万トンへの削減を目標としています。これは、2015年度比では28%の削減にとどまります。SDGsの目標である50%削減の半分程度でしかありません。
削減目標を引き上げるべきだと考えますが、いかがですか。
➡資源循環計画担当部長答弁
〇2000年は食品リサイクル法の成立年であり、国は、法に基づく基本方針及び第4次循環型社会形成推進基本計画において、基準年を2000年度に設定
〇都は、こうした国の基準年や目標値の考え方を踏まえ、目標を設定
Q1-2 国の方針とは別に、都独自で目標を引き上げる考えはないのですか。
➡資源循環計画担当部長答弁
〇繰り返しになるが、法に基づく基本方針や第4次循環型社会形成推進計画の考え方を踏まえ、都は2000年度を基準年とした2030年の食品ロス半減の目標を掲げるとともに、さらには2050年の食品ロス実質ゼロを目指していく
Q1-3 都は2020年度、2021年度にすでに半減目標を達成しています。さらに高い目標を設定すべきではありませんか。
➡資源循環計画担当部長答弁
〇2020年度、2021年度の大幅な食品ロス削減は、都内食品ロスの約4割を占める外食産業が、新型コロナウイルス感染症対策による休業や時短営業等の影響を受けたことが考えられ、令和5年5月の5類移行後の、社会経済活動の活性化の動向も注視する必要
〇都は引き続き、2030年食品ロス半減とともに、2050年の食品ロス実質ゼロを目指していく
2050年実質ゼロをめざすから同じ、ではないですよね。その実現のためには、適切な中間目標の設定とその達成が必須です。SDGsの目標にあわせて、「2030年に2015年度比半減」を目標とすることを求めて、次の質問に進みます。
Q2 次は、食品廃棄の禁止とフードバンクへの寄付の義務付けについて伺います。
フランスなど海外では一定規模以上のスーパーに食品廃棄を禁止し、フードバンクなどへの寄付を義務付けています。都はフードバンクへの寄付を推奨し、事例も紹介していますが、さらに進めて条例で義務付けることを提案します。
法的な整備がないために困難との答弁が想定されますが、そうだとしたら、国への要望を行いませんか。昨年の国への提案では「フードバンク等を活用し、発生した食品ロスの寄贈や再流通を促進すること」と記載されていますが、促進するためには義務化が必要だと考えますが、いかがですか。
➡資源循環計画担当部長答弁
〇食品寄贈の促進に向け、国は昨年12月に策定した「食品ロス削減目標達成に向けた施策パッケージ」において、来年度、新たに「食品寄附に関するガイドライン」を策定し、その定着を図ることとしている
〇また、提供した食品により食中毒やアレルギーが生じた際の救済制度にも配慮した、法的責任のあり方についても検討していくこととしている
〇都は引き続き、都や自治体の防災備蓄食品をフードバンクに寄贈するマッチングシステムの運用や、食品スーパーがフードバンク等に食品寄贈する際の輸送費支援などにより、寄贈拡大による食品ロス削減を推進していく
Q3 次に外食産業での食べ残しの持ち帰り、ドギーバックについて伺います。
食品ロスに占める外食産業の割合は、全国では約16%ですが、都は4割近くもあり、外食産業の食品ロスを削減することが極めて重要な課題となっています。海外ではレストランなどの外食事業者にドギーバッグを義務付け、食べ残しの持ち帰りを促進しています。
自己責任で持ち帰ることを促進するために、事業者にドギーバッグの備えと持ち帰りを推奨するシールを店舗に張り出すことを義務付けたらいかがでしょうか。伺います。
➡資源循環計画担当部長答弁
〇外食時の食べ残しの持ち帰り促進に向け、国は昨年12月に策定した「食品ロス削減目標達成に向けた施策パッケージ」において、来年度、新たに「食べ残しの持ち帰りガイドライン」を策定することとしている
〇同ガイドラインでは、消費者の自己責任を前提としつつ、協力する飲食店等が民事上・食品衛生上、留意すべき事項を規定し、外食事業者及び消費者双方の持ち帰りに対する意識の変化や行動変容に繋げることとしている
〇都は引き続き、食品ロス削減に向けたPR動画や小冊子等で、飲食店に持ち帰りが可能か確認したうえでのドギーバックの活用を促すほか、地域の飲食店と連携して持ち帰り促進に取り組む自治体を財政支援していく
国は食べ残しの持ち帰り推奨の方向で、都はドギーバックの活用を促すとのことです。ドギーバッグを備え、持ち帰り推奨のシールが店舗に貼り出されていれば、確実に食べ残しの持ち帰りの促進につながり、事業者にとっても、生ごみの廃棄量が減ることとなり大きなメリットとなります。義務付けの検討を求めます。
➏フロン対策について
次にフロン対策について伺います。
全国のフロン排出量は温室効果ガスの4.6%ですが、東京都は10%と突出して高く、都としての排出削減の重要性は極めて高いといえます。
また、2021年の東京都の温室効果ガスは2000年比で2.3%、エネルギー起源排出量が601万トン削減されていますが、フロンは534万トン増加しており、CO2排出量の削減をほとんど帳消しにしてしまっています。
このようなフロン削減対策の重要性を踏まえて質問します。
Q1 政府はキガリ議定書の「先進国は2029年までにフロン生産量・消費量の70%削減」をめざしています。
ア 生産・消費量の削減のために、政府に何が求められていると考えるか、伺います。
➡環境改善部長 答弁
〇国は、モントリオール議定書キガリ改正に基づき、フロン類の生産や消費量の削減のため適切な施策を実施
イ では、海外でも導入されているフロン税の導入による生産・消費量の抑制が必要だと考えますが、いかがですか。
➡環境改善部長 答弁
〇国では、生産や消費量の抑制を図るため、様々な施策の一つとしてフロン税の導入を含めた経済的手法も検討していると聞く
〇都は、引き続き国の動向を注視
ウ 都は国に対して「CO2排出削減のために実効性のあるカーボンプライシング」を要請しています。同様に、国に「フロン税の導入、フロンプライシング」を提案しませんか。いかがですか。
➡環境改善部長 答弁
〇国では、生産や消費量の抑制を図るため、様々な施策の一つとしてフロン税の導入を含めた経済的手法も検討していると聞く
〇都は、引き続き国の動向を注視
Q2 政府は2021年の地球温暖化対策計画で、2030年のフロン排出量を、2013年比で55%の削減としています。しかし、2021年には70.6%も増加しています。
都の2030年目標は、環境基本計画に、2014年比で65%削減とあり、2021年比では78%もの高い削減目標となります。目標が高いことは歓迎しますが、実効性には疑問があります。前年比で毎年10%以上の削減が必要になりますが、2020年と2021年では横ばい状態です。
ア あと6年で2014年比65%、138万トンへの削減は可能なのか、見解を伺います。
➡環境改善部長 答弁
〇都では、2030年のフロン排出量削減目標を達成するため、フロン機器における使用時漏えいの削減や廃棄時の適正な回収に向けて、事業者指導等の各種対策を着実に実施
イ 削減目標達成は可能か、と質問しましたが、答弁はありませんでした。「各種対策を着実に実施」とのことですが、新たな実効性のある対策はないのですか。
➡環境改善部長 答弁
〇フロン機器における使用時漏えいの削減や廃棄時の適正な回収に向けて、事業者指導等の各種対策を着実に実施
ウ では、フロン税などの方法でフロンの価格を高くし、ノンフロン冷媒を相対的に安くすることでノンフロン冷媒の普及を促進してはどうでしょうか。また、ノンフロン冷媒の普及率はどれほどか、伺います。
➡環境改善部長 答弁
〇都は、ノンフロン機器の転換に向けて、省エネ型ノンフロン促進事業により導入を促進
〇国によれば、家庭用冷蔵庫・自動販売機等についてはノンフロン冷媒への代替が進んでいる一方、エアコンや業務用の大型・中型冷蔵庫はノンフロン製品の普及が進んでいない状況と聞く
都は2030年目標の138万トンまで6年間毎年10%削減していかなければならないのに、その実現のめどは全く見えません。早急な「フロン税の導入」が必要であり、都からも国に要望すべきです。強くお願いします。
➐PFAS等対策について
次に、有機フッ素化合物PFAS汚染対策について伺います。
PFASを含む泡消火薬剤やその汚染水の、米軍横田基地での大量の漏えいや保管が明らかになり、市民団体と研究者の調査でも汚染の深刻さが確認されています。昨年12月には世界保健機関(WHO)傘下の国際がん研究機関(IARC)がPFOAについて「ヒトに対して発がん性がある」と評価しました。
都は来年度、PFOS及びPFOAの地下水汚染調査を拡充し、新たに区市町村と連携したPFOS等地下水調査促進事業とPFOS等泡消火薬剤の転換促進事業を行う予算を提案しています。
地下水調査に関する区市町村との連携について質問します。
Q1 PFOS及びPFOAの地下水汚染調査は都内260カ所での測定とのことですが、その測定井戸の選定・確定は、いつ、どのように行うのですか。
➡環境改善技術担当部長 答弁
〇都内全域260か所の調査については、いずれの調査地点も、各自治体の意見を聞きながら選定し、調査を実施
Q2 区市町村と連携したPFOS等地下水調査の追加調査について、3点伺います。
ア まず、予算額、測定箇所数、補助率
イ 次に、区市町村への事業説明と実施のスケジュール
ウ 最後に、調査箇所の選定・確定の基準、方法など
以上です。
➡環境改善技術担当部長 答弁
〇本事業の予算額は約一千万円。都の追加調査を補完する調査を実施する区市町村に対して、費用の3分の2を負担
〇また、地域の状況を踏まえ、区市町村との調整が整った地点で実施予定であり、概ね90地点分を見込む。
〇都は、区市町村との定例的な会議等を通じて、事業周知を図っていく。
〇本調査については、地域の状況を踏まえ、区市町村との調整が整った地点で実施予定
残念ながら自治体の側に、まだ躊躇があるようですが、都が調査の継続・拡大の方針を打ち出し、自治体に協力を求めるということは、メッセージとしてもとても重要です。
今月7日に締め切られた、食品安全委員会のPFASの「許容摂取量」に対するパブリックコメントには、かなりの数の意見が寄せられたようです。米環境保護庁(EPA)の暫定案と比べて最大で666倍、欧州食品機関(EFSA)の60倍以上という、規制強化へ向かう世界の流れに逆行するかのような内容でしたから、当然です。そして、このトンデモナイ「許容摂取量」案がパブコメを受けて変わるのか変わらないのかが注目されています。
この結果にかかわらず、都は、世界的な規制強化の流れをしっかりと見据えて対応することを求めます。
➑生物多様性地域戦略について
最後に、生物多様性地域戦略について伺います。
東京都生物多様性地域戦略は、昨年4月に策定されましたが、「東京都生物多様性地域戦略アクションプラン」の更新を通じたPDCAサイクルによる継続的な改善により、取組を推進していくこととなっています。
Q1 昨年4月に策定された現在のアクションプランのCHECK=検証、そしてACT=見直しはどこでどのように行われて、次の新しいアクションプランのPLAN=計画へとつながるのか伺います。
➡自然環境部長答弁
〇生物多様性地域戦略アクションプランについては、今後、検証するために自然環境保全審議会計画部会に報告し、意見を聴取
〇審議会からの意見について生物多様性地域戦略庁内推進会議で共有し、必要に応じて見直しを行い、次期アクションプランを策定
Q2 アクションプラン進捗状況は、毎年度ホームページで公表することになっています。次期アクションプラン策定に関する自然環境保全審議会計画部会、生物多様性地域戦略庁内推進会議の開催予定と、次期アクションプランの公表時期を伺います。
➡自然環境部長答弁
〇アクションプランは、毎年度の進捗状況などを示すものであり、次期アクションプランについては、来年度、自然環境保全審議会計画部会、生物多様性地域戦略庁内推進会議に報告し、公表
Q2-再質問 来年度というのは2024年4月から2025年3月まであります。2024年から3年間のアクションプランの公表が2025年3月ということはないと思います。2024年度のおおよそいつになるのかご答弁ください。
➡自然環境部長答弁
「生物多様性条約」と「気候変動枠組条約」は1992年の地球サミットで、同時に署名された双子の条約ともいわれています。気候危機の一層の深刻化と同時進行で、生物多様性の損失が人類の大きな脅威となっている、と生物多様性地域戦略では、その冒頭に記載されているのですが、残念ながら、庁内にはそのような認識が十分に共有されていないと感じています。
自然環境保全審議会におけるアクションプランの進捗状況の審議においては、単に個別事業の検証に止まらず、地域戦略が果たすべき総合的な役割についての再確認と検証も行っていただくことを求めます。
➊都市計画道路 小金井2路線
まず、私の地元、小金井市の道路問題です。
都市計画道路小金井3・4・1号線及び3・4・11号線外が、「第四次整備方針事業化計画」の優先整備路線に選定されたのは、2016(H28)年12月です。10年後の2026年3月をめどに事業着手するとされています。
小金井市民は、この2本の都市計画道路・小金井2路線について、小金井の宝ともいえる、国分寺崖線「はけ」と野川の自然環境を壊すことになる、ことを主な理由として、機会あるごとに反対の意思表示をしてきました。「第四次整備方針事業化計画」の策定過程でのパブリックコメントでは優先整備路線とすることへの疑問や反対の意見が2000件を超え、市議会は11本もの見直しを求める意見書を都に提出しています。2路線の賛否が争点の一つとなった都議選では、事業化反対の私が当選し、前市長は「市民合意のない現段階での事業化は認めない」と都に要望してきました。そして、「事業化凍結」を公約して当選した現市長は、現在開会中の市議会の施政方針でも、「東京都に対し事業化の中止を求める要望書を提出するなど、今後も、はけと野川を守り、豊かな暮らしや文化を後世に継承していくため、適切に対応していきたい」と、表明しています。
Q1 まず、「小金井2路線」に関する新年度予算案の概要と金額を伺います。
➡道路建設部長答弁
〇令和6年度予算案では、小金井3・4・1号線の環境概況調査等に要する費用として2,000万円を計上
〇小金井3・4・11号線ほかについて、地元周知や地下水位調査等の委託に要する費用として3,400万円を計上
今年度と同じ概要と金額だと思います。地元の民意を尊重して、予算の凍結を求めてきましたが、今年度は、地下水位調査委託と希少猛禽類調査委託が発注されました。新年度についても、予算の凍結を求めます。特にオープンハウスなど地元周知予算については執行しないことを強く求めます。
Q2 次に、第四次事業化計画の期間が後2年となっていることに関連して、3点伺います。
まず、「小金井2路線」関連で建設局は2018(H30)年に交通量・渋滞調査を行っていますが、その後、同じ調査を行っていますか。
➡道路建設部長答弁
〇平成30年度の交通量調査は、小金井3・4・11号線周辺における幹線道路や生活道路の交通状況を把握することを目的に実施
〇これ以降、同じ調査は実施していない
Q3 2018(H30)年の交通量・渋滞調査は、地元周知のオープンハウスなどで示されました。先ほど、新年度・2024年度において、地元周知予算を計上しているとのことですが、交通量・渋滞調査は予定していますか。
➡道路建設部長答弁
〇令和6年度に交通量調査を実施する予定はない。
Q4 最後の質問です。第四次事業化計画に関する自治体との意見交換を都市整備局の所管で行っていますが、建設局はどのように関与していますか、今後の予定も伺います。
➡道路建設部長答弁
〇第四次事業化計画の進捗状況等を確認する自治体との意見交換会に、建設局は参加していない。〇なお、意見交換会では、建設局が所管する事業の進捗状況についても、情報共有 されている。〇今後、どのように関与するかは、決まっていない。
第四次事業化計画は2年後にその期間を終えるのですが、その後、第五次計画へと進むのか、異なる段階に進むのかが、いまだに明らかになっていません。都政、都の道路行政のあり方として、とても不透明な、好ましくない状態です。
都市整備局の所管ではありますが、建設局として、手続の透明化を働きかけ、小金井2路線については、この間、地元民意に向きあってきた建設局として、地元民意を尊重して優先整備路線から外すことが望ましいという見解を示していただくことを求めます。
➋善福寺川上流調節池(仮称)について
次に善福寺川上流調節池については2/14の陳情審査で詳しく伺い見解も述べましたので、2/6の都市計画審議会を経て都市計画決定が行われとことを受けた、今後予定される手続きについて伺います。
Q1 都市計画決定・告示に続く手続きは都市計画事業認可です。2/14の陳情審査での河川部長の答弁は「今後も引き続き、事業説明会や工事説明会など様々な機会を捉えて、地域住民に対し丁寧な説明を行うとともに地元の声に耳を傾け、住民の理解促進に努めていく」とのことでした。この答弁は、私の、都計審に提出された地元杉並区長からの意見照会に対する回答、「地元自治体の長として、都市計画事業の実施にあたっては、住民意見を十分に反映し区と連携.協力した進め方をお願いいたします。」を受けた対応を問う質問に対して行われたものです。
善福寺川上流調節池事業について、今後、まず行われるのは「地域住民に対する丁寧な説明」と考えてよいですか。
➡河川部長答弁
〇引き続き、地域住民に対する説明を行い、理解促進に努めていく
Q2 「地域住民に対する説明」について、現時点で考えられる当面の時期や方法を伺います。
➡河川部長答弁
〇今後の進め方については未定
先ほどの地元杉並の岸本区長の意見書には、住民の声として、次のような別紙が添えられています。
本都市計画案については、昨年8月の変更素案の説明会以降「本計画案自体を知らない人が多くいる」、「周知が不足している」等の理由により、全区的な説明会や地域ごとの説明会の開催が求められています。
また、シールドトンネルの安全性に関する懸念や、都立・区立公園では子供の遊び場・地域の憩いの場の喪失、湧水の枯渇、生態系の破壊などの声も多く寄せられています。
都市計画変更素案の公表から東京都の都市計画審議会に諮られるまでの期間が半年程度しかなく、都は拙速に進めているという意見も多く届いています。本都市計画の決定にあたっては、地域住民への周知が必ずしも十分でないとの住民意見に十分留意し、都知事として判断願います。以上です。
住民意見に十分留意した手続きを進められることを求めます。
➌西武鉄道新宿線(井荻駅~西武柳沢駅)連続立体交差事業について
次に、西武鉄道新宿線(井荻駅~西武柳沢駅)連続立体交差事業について質問します。
Q1 事業認可時点での事業費と、都市計画事業者と鉄道事業者との負担割合及び費用便益比B/Cの数値を伺います。
➡道路建設部長答弁
〇令和6年3月6日に国より都市計画事業認可を取得
〇事業費は鉄道付属街路を含め約2,660億円
〇現時点における都市計画事業者の負担額は約2,290億円、負担割合は約86%、鉄道事業者の負担額は約370億円、負担割合は約14%と見込んでいる
〇費用負担については、両事業者間で協議の上、今後締結する施行協定において定める
〇費用便益比は1.2
Q2 2019年の都市計画素案説明会時点では約1710億円であった事業費が55%も急騰した要因を伺います。
➡道路建設部長答弁
〇耐震基準の改定に伴う鉄道構造物の見直しや、労務費や資材価格等の物価上昇などを反映させたことにより、事業費が増加
Q3 都市計画素案説明会時点では、地下方式の場合の事業費は約2470億円とされ、高架方式の約1710億円との差が「事業的条件」として高架方式選定の大きな論拠とされました。今回の事業費は、単純に比較すれば当時の地下方式よりも高額であり、事業的条件の再検証が必要だったのではないでしょうか。見解を伺います。
➡道路建設部長答弁
〇本区間の構造形式については、地形的条件、計画的条件、事業的条件、これら3つの条件を総合的に判断し、高架方式として都市計画が決定されている。
〇なお、地下方式の事業費については、当初約2,470億円と見込んでいたが、物価上昇分を考慮した概略の試算では3,000億円を超え、今回の高架方式の事業費約2,660億円を上回っている。
Q4 B/Cは事業期間によって大きく変動し、事業期間が延びれば、B/Cはどんどん悪化していきます。中井~野方間では、認可期間が当初の8年から14年に大幅に伸びています。特に用地取得に要する期間が、当初の想定を大きく超えています。今回の事業認可にあたって、事業期間は都市計画決定時点と変わらず15年となっていますが、中井~野方間の経験や、建設業のいわゆる2024年問題などを踏まえれば、15年で事業が終了しないリスクが大きいと考えますが、いかがですか。
➡道路建設部長答弁
〇本事業の事業期間は15年
〇円滑に事業を進めるためには、着実に用地を取得しながら工事を行う必要
次に、計画区域内の分譲マンションについて伺います。
練馬区内にある新築分譲マンションが本都市計画の区域に含まれており、このマンションの管理組合からは、以前、都議会に地下方式への見直しを求める陳情が出されました。陳情は不採択となりましたが、高架方式での事業となった場合、補償や改築・移転等にあたってたいへん複雑で困難な課題が生ずることは当時も指摘しました。
当該マンションのような区分所有建築物における補償については、権利関係が複雑に絡み合い、かつ、個々の区分所有者ではなく管理組合として議決しなければ処分できない事案が大変多く存在します。測量に応ずること自体も、組合総会の議決が必要となります。
区分所有建築物に対する補償については、通常の戸建て建築物とはまったく異なる補償の課題があり、適正かつ透明な補償協議のためには、しっかりした補償基準や細目を整えることが必要となります。国は『公共用地の取得に伴う損失補償基準要綱』を閣議決定し、その下に国交省として『損失補償基準』、『損失補償基準細則』を定めています。
この細則には、区分所有建物に関する補償の考え方や基準を詳細に定めた「別記3」という要領も付いています。閣議了解された基準要綱の施行通知では、地方公共団体が国の基準に準じて地方公共団体がその基準を制定するよう指導することを関係省庁に求めています。建設局としても、「別記3」も含めた国交省の基準に準じた規定をみずから速やかに整備すべきです。
Q1 そこで伺います。当該マンションの管理組合からも、補償協議に先立って最低限、別記3と同程度には詳細に規定された細則を制定すべきとの要望があると聞いています。都として、早急に取りまとめるべきと考えますが、いかがですか。
➡道路建設部長答弁
〇都は「東京都の事業の施行に伴う損失補償基準」に基づき補償
〇区分所有建物の補償については、平成9年度に制定した「区分所有建物の補償等に関する取扱い要綱」及び平成25年度に発出した「区分所有建物の専有部分に対する建物移転補償の取扱いについて(通知)」を整備
〇用地取得に伴う損失補償にあたっては、関係規定を適切に運用するとともに、これらの規定について、国の規定等も参考にしながら必要な見直し等を行っている。
〇引き続き、適切に対応していく。
新築分譲マンションの一部が区域に含まれてしまったわけで、思いもかけない複雑で困難な課題に直面させられています。その状況に寄り添った対応をお願いします。
➍街路樹・公園樹木の管理の基本方針と周知について
次に、街路樹・公園樹木の管理の基本方針と周知について伺います。
Q1 神宮外苑再開発に伴う樹木伐採・保全に大きな関心が高まり、象徴的な存在になっていますが、都市の樹木を守る市民の活動はそれぞれの地域で長年にわたって、思いを込めて取り組まれてきました。1本1本の樹木を守る努力が重ねられてきました。ところが、都庁内の不一致や連絡ミスによって失われるケースがあるのではないかとの指摘があります。
昨年、井の頭公園内の西部公園緑地事務所改築に伴う工事車両進入路確保にあたって、住民との調整を経て準備工事では残置するはずだった樹木を、業者との連絡ミスで伐採してしまうということが起きました。中央区築地の環状2号線道路工事に伴う街路樹の伐採や、清住公園の無料開放部分での選定のあり方への疑問の声も届いています。
街路樹・樹木に関する住民との調整と保全に関する基本的方針と、その周知・徹底について伺います。
➡公園計画担当部長答弁
〇都立公園は、自然環境の保全や憩いの場など多様な役割を果たし、機能を踏まえ植栽を育成
〇利用者が快適に過ごせる緑陰形成や防犯など見通しを確保
〇樹木等の生長を想定し、剪定や除伐等の実施など、健全な植栽となるよう維持管理
〇街路樹は、沿道環境の保全など様々な役割をもち、安全で円滑な交通を確保
〇剪定や刈り込みなど健全な育成を図るよう維持管理
〇作業に当たって、必要に応じて事前に周知
都立公園の多様な役割や、街路樹のさまざまな役割に応じた対応とのことです。それはもちろんですが、気候変動、生物多様性への対応を一層重視することを求めます。また、今回の質問趣旨のメインは、住民との調整と、その方針の「周知・徹底」です。特に関係する周辺住民との調整、そして庁内各課や事業者への周知・徹底を求めます。
➎パークマネージメントマスタープランについて
・生物多様性地域戦略との関係
・武蔵野公園防災放送設備工事の経過と現状について
最後に、パークマネージメントマスタープランについて、生物多様性地域戦略との関係、日比谷公園の整備について質問します。
Q1 まず、伺います。改定にあたって、生物多様性地域戦略との整合は図られたのでしょうか。改定の背景はじめ本文中にも、生物多様性地域戦略の記載がないのはなぜでしょうか。整合が図られたのであれば、改定前との比較で示してください。
➡公園計画担当部長答弁
〇マスタープランには、生物多様性地域戦略アクションプランに都立公園の取組となる「都立公園の整備・新規開園」や「多様な生物が生息する都立公園づくり」などが位置付けられていることを踏まえ策定
Q2 次に「多様な生きものが生息・生育する都立公園づくり」の31公園について、です。
ア 2024(R6)年度に環境整備工事に着手する予定の4公園のうち武蔵野公園及び野川公園の工事概要・スケジュールを伺います。
➡公園計画担当部長答弁
〇武蔵野公園は、令和7年度の完了に向け、令和6年度に既存井戸を活用した水辺環境や高茎草地の創出などの整備
〇野川公園は、令和7年度の完了に向け、令和6年度に野鳥の餌となる実がつく 樹木の植栽や間伐等によるバードサンクチュアリの再生などの整備
イ 2024(R6)年度以降に保全利用計画を策定する予定の9公園のうち小金井公園の準備状況を伺います。
➡公園計画担当部長答弁
〇小金井公園は、令和5年度から現地調査や、地元市、団体と意見交換を行い、令和6年度に生物多様性保全利用計画を策定
Q3 次に、「都立公園リフレッシュプロジェクト」10公園と、「多様な生きものが生息・生育する都立公園づくり」31公園の重複する公園について、取り組みの関係性を伺います。
➡公園計画担当部長答弁
〇多様な生物が生息する都立公園づくりを行う31公園では、都立公園リフレッシュプロジェクトに含まれる7公園も含め、保全等の必要性の高い場所で生息環境改善を実施
再質問 「多様な生きものが生息・生育する都立公園づくり」の31公園と、「都立公園リフレッシュプロジェクト」10公園について、私の地元の3公園についてだけ概要を答弁していただきましたが、今の答弁だけではあまりわかりません。都民、特に各公園の近隣や利用する市民への情報公開が不十分です。
そこで、伺います。
このパークマネージメントマスタープランの53pには「横断的な施策」として、「施策の実効性を高め、整備や管理の効率化や利便性の向上を図るため、以下のように取り組んでいきます」として4つの項目が挙げられています。
その一つが「協働」です。ここに、「都民や利用者、地域の暮らしと密着した自治会・町会、独自のアイデアやノウハウを持つ民間事業者、さまざまな専門性を持つNPO、幅広い分野の有識者、学校、研究機関等のさまざまな主体と連携、協働し、それぞれの強みを活かしてマネジメントを展開します。」と書かれています。
「さまざまな主体と連携、協働」の大前提は情報共有、都からすれば情報発信です。今後の、これらの事業に関する情報発信についてどのように考えていますか。
➡公園計画担当部長答弁
工事説明会や看板の設置など・・・
現地説明会はぜひ、工事直前の説明会ではなく、早い時期に可能なら複数回の開催を
公園内での掲示もできるだけ早い時期から
各公園HPでの情報発信もできるだけ早く
Q4 武蔵野公園防災放送設備工事の経過と現状について
次に、2022年6月の第2回定例会一般質問でとりあげた武蔵野公園 防災放送 設備工事の経過と現状について伺います。
先ほど確認した生物多様性保全利用計画策定のため、専門家や環境団体へのヒアリングが行われている最中に、その同じエリアの環境を損なう防災放送設備の工事が突然開始され、住民要望で中断。自然環境に配慮し、住民等に説明しながら取り組んでいくとの答弁でした。その後、説明会は開催されましたが、中断したまま、もうすぐ2年となります。
➡公園計画担当部長答弁
〇武蔵野公園は広域避難場所に指定されており、防災公園としての整備を着実に進めることが重要である。
〇防災放送設備工事においては、避難者に情報提供を行う園内放送設備などの設置工事を進めていたが、希少植物へ影響を考慮して、工事を一時中止している。
〇関連する工事との調整状況等も踏まえ、今後、工事再開に向け、利用者等に丁寧に説明しながら取り組む。
「関連する工事との調整状況等も踏まえ」とのことですが、武蔵野公園では急きょ「スケートボード広場の整備」を行うことになり、「多様な生きものが生息・生育する都立公園づくり」の生物多様性保全利用計画に基づく工事も始まります。
スケボー広場は離れていますが、生物多様性保全利用計画の工事はエリアが重なりますから、総合的な説明がないと、不毛な誤解や行き違いが発生し、関係市民、職員ともに、不要なストレスにさらされることになります。十分に配慮して、早めの説明などの対応をよろしくお願いします。
➏日比谷公園について
最後は日比谷公園についてです。バリアフリー日比谷公園プロジェクトの整備が進んでいますが、さまざまな疑問や批判、ご意見をもっている市民がたくさんいます。
外周植栽、大噴水、小音楽堂、日比谷公会堂の耐震工事、三笠山の樹木、道路上空公園と位置付けられたデッキやその周辺など、さまざまな声をお寄せいただきましたが、3点に絞って伺います。
Q1 日比谷公園は、日比谷公園バリアフリー大噴水・小音楽堂周辺の基本・撤去設計は日建設計が驚きの落札率99.9%の4,640万円で落札しました。大噴水・小音楽堂周辺の実施設計や工事費用を含めた新年度予算総額はいくらですか。
➡公園計画担当部長答弁
〇大噴水・小音楽堂周辺における実施設計と工事費用の令和6年度の予算額は合計で1,504,300千円
Q2 小音楽堂裏にある開園当初からの水飲み場は120年の歴史を感じる貴重な施設です。小音楽堂の改修に伴い、どのような扱いが予定されていますか。
➡公園計画担当部長答弁
〇小音楽堂はステージや観覧席の高さを下げて段差や柵をなくし、誰もが利用しやすい施設としていくこととしており、現在、設計を実施
Q3 第2花壇周りの思い出ベンチは撤去されましたが、草地広場や雲形池など他の思い出ベンチはどうなるのですか。
➡公園計画担当部長答弁
〇公園整備に伴い撤去が必要となるものについては、寄付者に対し、御礼とともにその旨をお知らせし、希望がある場合は、ベンチに取り付けてある記念プレートをお引渡し
昨年、日比谷公園再生整備計画に驚いて開催した学習会や、公園の現地フィールドワークには多くの方が参加されました。陳情も提出されたくさんの傍聴者がありました。
先ほども確認した、「さまざまな主体との連携、協働」の最初にあげられているのは「都民や利用者」です。日比谷公園に関して熱い思いを寄せる協働すべき都民や利用者がたくさんいるということです。
そして、現在の「バリアフリー日比谷公園プロジェクト」は、形式的には適正な手続きを踏んで作られた計画だとは思いますが、その連携・協働すべき多くの都民や利用者には、納得されていない計画だということです。
今後のエリアごとの整備について、樹木保全、生物多様性の尊重を最優先とした見直しを求めます。
最後に、パークマネージメントマスタープラン全体について、時代の要請であり、人類の大きな脅威である気候と生物多様性の危機への対応を最も重視し、市民との協働によって進める計画とすることを求めて、質問を終わります。